「救えない者もいる、この世界」冬の旅 ドラゴンミズホさんの映画レビュー(感想・評価)
救えない者もいる、この世界
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主人公に一切共感するところを許さない傑作!
過去にトラウマを背負っているわけでもなく、ただひたすら本人の資質や考え方が退廃に向かわせる。まわりが手を差し伸べても、救えない人間というものは確かにこの世界にいる。残酷な世界が確かにあるという悲しさが染みる。
そして中にはその堕落と自由に焦がれる人間もいて、それもまた否定できない。
幸せとは何か、あるべき人生とは何かを人間は浅はかに判別できない。ただ彼女と交わった人々の印象に残るだけなのだ。
豊かな生を喜ぶ村の祭りから、異物そのままに逃げ出す彼女がひどく印象的だった。
素晴らしい作品。
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