不滅の恋 ベートーヴェンのレビュー・感想・評価
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リスペクトを込めてベートーヴェンを描く
ベートーヴェンの「田園」については、こんな楽しい思い出がある。 農地が広がる田舎の村に住んでいた頃、「田園」のレコードをかけると1羽のヒヨドリがどこからともなく飛んできて3階のベランダのアンテナにとまり囀る(さえずる)のだ。 これは一体どうしたことか? たまたまかと思ったが翌日も来る。 その翌日もレコードをかけるとやって来る。 信じられない思いで家族に知らせてその様子を見せた。 日の光と吹き渡る風に乗って、胸を張って、なんと輝かしくもあのヒヨドリはベートーヴェンに合わせて声高らかに歌うのだ。 これが一週間続いた。 「田園」第1楽章にベートーヴェン自身が付けたソネットは《田舎に着いた時の楽しい気分》だ。 たくさんの小鳥のさんざめきも楽譜に織り込んで、ベートーヴェンはこの瑞々しい第6交響曲を開幕させる。 ♪ ♪ ♪ 耳が聞こえないとはどういうことか、 それについては「ザ・トライブ」のレビューにすでに触れた。 モーツァルトが けたたましく笑ったあの映画「アマデウス」とは異なり、終始エキセントリックな本作のベートーヴェン像を、カメラは追っている。 中途失聴は辛かったろう・・ 「彼は繊細過ぎたのだ。 より鋭く磨ぎすまされた剣こそ 時として もろく折れやすいように」。 (埋葬の場面での追悼辞) ♪ ♪ ♪ 【使用曲】 交響曲 5「運命」作品67 ミサ・ソレムニス 作品123 ピアノソナタ 8「悲愴」作品13 交響曲 7 作品92 ピアノソナタ 14「月光」作品27-2 ヴァイオリン協奏曲 作品61 Vn.ギドン・クレーメル ピアノ協奏曲 5「皇帝」作品73 交響曲 3「英雄」作品55 交響曲 5「運命」作品67 ピアノトリオ 4 作品70-1 ヨーヨー・マ他 ヴァイオリンソナタ「クロイツェル」作品47 交響曲 6「田園」作品68 「エリーゼのために」 Pfマレー・ペライア (ロッシーニ)オペラ「泥棒かささぎ」 交響曲 9 合唱付き 作品125 弦楽四重奏曲 作品130 ジュリアードSQ そしてエンドロール ピアノ協奏曲 5「皇帝」作品73 ♪ ♪ ♪ ピアノソナタ「月光」を ピアノに横顔を押し当てて、聴こえない耳で、“骨伝導”で、自作の「月光」を聴く姿。 嗚呼、汝ルードヴィッヒ、 あの姿は、誰も見てはならない彼のプライバシー。秘して隠されるべきものだった。 いいシーンだった。 この映画のために録音をし直したという指揮者のゲオルグ・ショルティも、そしてピアニストのマレー・ペライヤも、 それぞれの演奏は真摯で篤い。 『楽聖』ベートーヴェンの胸像に、彼ら演奏者たちもじっと耳を押し当てて、偉大な作曲家の声なき声を黙して聴いているようだ。 そうやって聴こえぬ耳のベートーヴェンの心音を、彼らも魂で聴き取ろうとしているように思われる。 ― それが判る、どれもこれもが素晴らしい演奏のサウンドトラックだった。 ♪ ♪ ♪ ベートーヴェンはたくさんの書簡を残しており、日記もあったようだ。それらを読んだことはないが、劇中の彼の台詞にはそれらの言葉が散りばめられており、それが物語の牽引役に用いられていたのだろう。 第九の「歓喜の歌」にまさかの子供時代の虐待の傷を重ね、そこから走って逃げる光景は胸が痛い。 解放と慰めの宣言として、ベートーヴェンは高らかに、そして温かく自らの傷(トラウマ)からの癒しのために、あの大合唱を歌って聞かせていたわけだ。 ベートーヴェンは「ハイリゲンシュタットの遺書」と呼ばれるものを書いてるし、晩年この第九発表前の10年ほどは作曲も演奏もしていなかった。やはり精神を病んでいたのだと思う。 彼の周囲で傷つけられた女性たちを何人も登場させ、しかしそれでも彼女たちがベートーヴェンの音楽に惹かれるがゆえに、女たちはベートーヴェンを赦し、受け入れていった様がこの映画の肝だ。 でも、素材と音楽がピカ一なだけに、人間関係のわかりにくさを招く脚本の散漫さは、少し残念であったが。 「私の苦悩は貧しい人々の運命を改善するために捧げられねばならない」 (ロマン・ロラン著「ベートーヴェンの生涯」) この言葉が映画の不足を補って余りあるベートーヴェンの述懐であろう。 自身の苦しみから紡ぐベートーヴェンの人生と音楽。 慰めの音楽が、骨伝導で伝わってくる映画。
ゲイリー・オールドマンが本物のベートーヴェンのよう
●女房とまだ結婚前に、デートで渋谷の映画館で鑑賞しました。 ●映画館で購入しました映画プログラム(映画カタログ)と、サントラ盤を今でも、女房が大事に大切に保管していました。価格コムさんの DVD『 不滅の恋 』に 当時江尾が館で購入しました 『 映画プログラム 』と 『 サントラ盤 』の 写真を 添付してあります。 この映画が上映なされて居りました渋谷の映画館に いつ観に行ったかは 正確な日付は忘れてしまいましたので、本映画レビューには 以前購入しました DVD を 鑑賞しましたので、鑑賞日 は最近ですが、 当方 本当に 渋谷の映画館で まだ 結婚前に 今の女房と 2人で デートして 本映画を 映画館で観ました。 ●価格コムさんの『 不滅の恋 』DVDにて、レビュー致しましたので、ご興味ありますれば、ご参照願います。 ●●以下の 3種類の 『 ベートーヴェン 』 交響曲 コンサート チケット 購入・取得 を 機に、 本DVD 以前過去に購入したもの を再鑑賞。 ① H29.12.3 サントリーホール ウイーン交響楽団 『 ベト 5 + ブラ 1 』 ② H29.11.26 横浜みなとみらいホール ウイーン交響楽団 『 運命 & 巨人 』 ( ベト 5 + マラ 1 ) ③ H29.12.16 『 ベト 9 』 ( キエフ国立フィル → 今年は 日本・ウクライナ国交樹立25周年 ) ■本DVD の 中で 、 ベートーヴェン を 演じます 有名英国人俳優の ゲイリー・オールドマン さんが、 月光 を 弾きます。 御存知の方も 多いと 思いますが、 ベートーヴェン は 耳の病気にて ほとんど 耳が聴こえなくなってしまいます。 そんな ベートーヴェン が 難聴にも 関わらず、 piano で 『 月光 』 を 弾く場面 は 泣けますね...... ほとんど 音色が 聴こえないものですから、 わずかな piano の 鍵盤 の 振動 にて、 『 月光 の メロディー 』 を 確認する訳 ですね。 ですから ゲイリー・オールドマンさん 演じます ベートーヴェン が piano の 鍵盤に 片方の 耳を 凄く 近ずける 訳 です。 当時と 同じ 木製piano たぶん ヴェーゼンドルファー かな、 木製piano らしい 胴鳴り が 特徴ですよね。 ■本DVD 最後の 方の 場面にて 、 『 ベト 9 』 演奏の場面あり。 所謂 『 歓喜の 歌 』 ですよね。 ベートーヴェン の 第九 交響曲は 、 クラシックの世界では バイブル でして、 多くの コンポーザー の バイブル であり、 目標な 訳 ですよね。 ですから、ブルックナー も 、 マーラー も 、 シューベルト や ドヴォルザーク も 交響曲が 『 9番 ( なかには シューベルトは 未完成 )』 まで あったりしますよね....... さて、 本DVD → ●英国人 ゲイリー・オールドマンさんが ベートーヴェン役を 熱演しています。まるで 本物の ベートーヴェン のよう。 ●当時の雰囲気を上手く演出する為に 衣装 等々 『 こだわり 』 を 感じることが出来ます。細部にまできめ細かい衣装。 ●偉大な ベートーヴェン、 多くの素晴らしい曲を作曲していますが、対照的に 耳の病気を抱えて入たり、悩みもおありであったようですよね。 ●そんな 人間味あふれます ベートーヴェンの 心の喜びや 葛藤を 描きながら、 映画の場面・場面に マッチします ベートーヴェン作曲した曲が backに 次々に 流れていきます。 ●多くの 背景等々 色々な事柄を コンサート前に 勉強して参りますですと、 より コンサートが 堪能出来ます。 ■せっかくの コンサート が より 奥深く 中身に 触れられますように 、 ただ 漠然と 聴いているだけでは もったいないですから、 色々と ベートーヴェン に 関わります DVD ですとか、 Blu-ray ですとか、 SACD や CD 等々の booklet や ライナーノーツ なんかも、 『 熟読 』 しましたり、 各種 文献 等々を 読みあさりましたり、 『 知識 』 も 習得しまして、 コンサート に 望んで居ります。 『 なんか 少しでも ベートーヴェン に 近ずけたような 気が するんですよね 』............................ コンサートで 至福の 至極 贅沢な 時間 を 堪能 出来ますね。 この 曲は ベートーヴェン が 精神的にも 肉体的にも 経済的にも どのような 状況 ・ 状態で 作曲したのか ですとか、 どこで 初演 したのか ですとか、 色々な ベートーヴェン に 関わります 事柄を 頭に入れながら、 また、 多くの SACD や CD を 事前に 自宅で 聴き込みしまして、 DVD や Blu-ray も 鑑賞しまして、コンサート に 望みますが、 色々と 多くの 事が コンサート 会場で 音楽と 共に 見えてきますよね........................................ ■本DVD オケは 『 ロンドン交響楽団 』 でして、 指揮は Sir の 称号を 持つ 『 ショルティ 』さん なんです。 ■本DVD マレイ・ペライア さんが 『 悲愴 』 『 月光 』 『 エリーゼのために 』 ほか を 演奏してます。 ■本DVD ヨーヨー・マ さんも 演奏 なされてます。 ■本DVD Sir の 称号を持つ 『 ショルティ 』 さんの お嬢様 クラウデイア・ショルテイ さんが ご出演なされてます。 ■本DVD 主演 『 ゲイリー・オールドマン さん 映画の為に 1日 5時間 piano 演奏練習 なされてます。演奏風景凄いReal。 上記の 事柄 だけでも 充分に 貴重で 価値のあります 『 映画 』 であると 思います。実に 背後に流れる オケが 優雅。 不滅の恋 の 源 となりました 『 恋文 は 実在 』 してますね。 ベートーヴェン死後の 翌日に 恋文が 発見。 大変 ドラマチック で 、 恋愛ドラマ 的な 演出も 堪能 出来ます。 映像が また 綺麗。 当時の 衣装 ですとか、 貴族の 音楽 に対します 接し方や 宮殿や コンサート劇場での 華やかな 場面も 堪能。 ベートーヴェン の 有名な 音楽が 次々と 流れていきますから、 コンサート会場に いるような 感覚も 堪能。 生涯 独身 の ベートーヴェン ですが、 神的な 大コンポーザー ですよね。 耳の不自由 にて さぞ 悲しかったでしょう.... 映像も 綺麗 ですし、 音楽的にも 有名オケや 巨匠マエストロや 巨匠pianist に 巨匠violinist 演奏ですから 価値大 。
映画館で観たかった!
その音楽を作った時の気分を、本人が説明する形で分析してるのが興味深かった。それがそのままミステリーの伏線にもなっていて。 ラストの第九合唱部分の映像と音楽の融合は素晴らしかった。大画面と極上の音響で味わいたかった!
DVDになってほしい。
これは自分が高校の時に見た映画。 これを見る前まではオールドマンのイメージは正直あまりよくはなかった。 でも、この映画がきっかけでオールドマンがかっこよく見えるようになった。
明るい、恋愛映画です
クラシック音楽は退屈という偏見を持っているので、ベートーヴェンについては書籍からの知識しかないけれど、映画を楽しむにはそれで十分だった。独身で亡くなったベートーェンの遺言どおり遺産を渡そうと、ベートヴェンと付き合いのあった女性のもとを訪れる。女性が語るエピソードで、ベートーヴェンの生きた時代と人となりを映し出している。 ベートーヴェンを愛した女性の語りなので、ベートーヴェンの気難しいところはさらっと流して、愛すべきところにスポットを当てているから、明るくリズミカルな仕上がりでとってもいい。クラシック音楽のうんちくなんか、まったくないのもうれしい。
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