劇場公開日 1998年10月10日

「細部まで緻密に計算された傑作」ブギーナイツ arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5細部まで緻密に計算された傑作

2014年5月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

笑える

幸せ

かれこれ十数年以上前に初めて観た時には、登場人物の不器用さと必死さに心を掴まれ涙したが、今回久しぶりに再見して、その細部まで計算された緻密さに改めて感心した。

高校をドロップアウトして親(母親)にも見放された17歳のエディが天から授かった才能(というよりもギフトと言った方がいいかもしれない)によってポルノ業界でのしあがりやがて落ちぶれる成功と転落の物語。
そして、同時にそれぞれに本来の家族から離れざるを得なかった登場人物達がポルノの世界で擬似家族を作る物語でもある。
これは非常にエモーショナルな物語なのだ。
しかし、メインキャラクターを長回しのカメラで手際良く見せる冒頭のシーンから(長回しの終着は主人公エディを演じるマーク・ウォールバーグであり、この長回しシーンはラストでもまた繰り返される。円環の輪を閉じるように)、ドアからドア、カウチからカウチへと繋がるシーンなど、実に緻密に計算され組み立てられた作品でもある。

もうひとつ初見から時間が経ったからこそ分かるのは、出演した俳優陣のその出世振りだ。マーク・ウォールバーグは言うに及ばず、メインキャラクターを演じた俳優は皆主役を張るスターになっていること。
うーん、PTA恐るべし!天才!

arakazu