「「ただの」サスペンス映画」フォーリング・ダウン キューブさんの映画レビュー(感想・評価)
「ただの」サスペンス映画
要するに家族に見放され仕事はクビになり、すべてが嫌になった男の話である。サイコ・サスペンスとしてはかなりの秀作であり、見た人は必ずこの映画に釘付けだ。でも、1つ問題がある。どうやら監督は「社会のせいでこの男はおかしくなった」というテーマでこの映画を描いたらしい。そんなわけ無い。男を追う警官を演じるデュヴァルもこう言っている。「社会のせいだとしても君の行動は正当化できない」と。この映画で描かれるのはあくまでも、狂った男の「危険な帰宅」の話なのだ。ただしサイコな男のサスペンスとしては最高級の出来である。
(11年4月6日)
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