ブエノスアイレスのレビュー・感想・評価
全63件中、61~63件目を表示
ゲイの切ないお話は幻想的な映像とともにイグアスの滝に流れる
16年前?に劇場でみて、そのインパクトを忘れられなくて、思わずDVDを買ってしまいました。
いや、やっぱり今見てもすごいです…。その映像美に圧倒。
当時大学生だった自分は、「こんな部屋に住もう!」って本気で思ったり、アルゼンチンに行こうと思ってしまっていました…
さて、お話はというと、真面目なゲイとちゃらいゲイが別れと再開を繰り返しながら自分の人生を見つめ直して行くというもの。僕はゲイではないので、ベットシーンとか本当にやめて欲しかったですけどね…。
ウィンとファイは喧嘩しながらもお互いに依存をして、最後はここに戻る…的な感じがあったんでしょうね。ウィンはファイに甘えに甘え、ファイはおそらくそれをよしとはしなくとも、自分の存在の確認にはなっていた…って男女の恋愛でも良くある話ですよね。
ウィンとファイは本当に愛し合っていたかはわかりませんが、2人でイグアスの滝を見ようと。2人でみようと約束します。そして、その旅の途中で道に迷ったことがきっかけで、ストーリーはうごきだす…と。
ファイが働く厨房の後輩のチャンと仲良くなり、ファイはチャンに思いを寄せて行くものの、チャン自体はノーマルな旅人。世界の果てを目指して旅をしていたため、別れに。そこで、チャンはファイの悲しみをテープに記録しそれを世界の果てにすててくる…と。
そして、チャンは南米最南端の灯台に。ファイは香港に帰るお金をためてイグアスの滝に。
このラストを飾るべく2つの場所の映像と、その後の香港に戻ってからの、喧騒と近代的な鉄道のシーンの美しさがとてもよかったです。
ファイはイグアスの滝を一人で見てから、香港に戻るわけですが、チャンの実家の飲食店によって、チャンが南米最南端の灯台にいった写真をくすねてくる、そして、「いつでも会える」ということを実感します。
お互いの存在そのものに固執し依存をしていたファイは、ウィンと喧嘩をしてチャンと出会い、イグアスの滝を見ることで、物質的なつながりではなく心のつながりということに気づくのでしょう。
といいながら、男だけでこのストーリーってはっと気付くとかなり異質ではありますが、ブエノスアイレスの感じと男だけの異質な感じはとてもマッチしていたと思いますし、なにより映像がすごい!!
本当によい映画があったな…とあらためておもいました。
ウェイ
ゲイのカップルが流れ流れて三千里。
流れ付いたはブエノスアイレス。
まず、ブエノスアイレスって舞台立てが非常に良い。
最果ての地感まんまん。やる気も満々。
もうね、やってます。
やる気!元気!いわき!
だがしかし、一番セクシーに見えるのは地元のダンサーが踊る
アルゼンチンタンゴに見えなくもない。
いやいや、一番グッと来るのは、電話に出る時のトニーレオンの
「ウェイ、、、、」
だ。
ハングルならヨボセヨ。日本語なら、もしもしだ。
この広東語の響きがグッと来るのは俺だけか?
まぁ、公開当時ノリにノッテタ、ウォン カーゥアイ監督の
一番美味しい部分が堪能出来る作品です。
退廃的なトーンの落とした画の中、イグアスの滝に向かって収束する物語は
これまたドン詰まり感満々でいいのだが、
レスリーチャンが太川陽介に見えてきて萎えたりもするが、
良作である事はまちがいなーい。
ブルーレイが出るが、これまたフィルムで、
出来れば場末の名画座辺りで一人で見たい。
が、アマゾン、予約ぽちってしまった。
関係無いが、好きな映画を並べてるみると
どうもゲイをあつかった作品が多いが、
私は男性よりも間違いなく女性が好きだ。
ようするに、ノンケです。はい。
おっぱいダイスキ!!
涙の意味。
せつなくてせつなくて胸がはりさけそうになる・・・。
故郷香港の裏側、ブエノスアイレスで出会ったウィンとフェイ。情熱的で喧噪あふれる異国でさすらう1組のゲイ・カップル。傷つけ合うのは、互いに愛しすぎているそれ・・・。些細なことでケンカになり、その都度別れる2人。しかし磁石が引き寄せるようにまた元に戻る2人。「くされ縁」と呼ぶには激しすぎる2人の愛は、あまりにも破壊的だ。
2人の夢は、ウィンが買ったランプシェードに描かれている“イグアスの滝”に行くこと。しかし旅の途中、道に迷って口論になり、ついに2人は別れる。帰国の旅費を稼ぐため真面目に働くフェイの元へ、ケンカでケガをしたウィンが転がり込んでくる。言葉では迷惑がるフェイだが、両手の使えないウィンをかいがいしく介抱する。2人の蜜月・・・。手ずから食べさせたり、体を密着させてアルゼンチン・タンゴを踊る甘い時間・・・。かと思うとすぐに口論になりまたもや互いを傷つけ合う。断片的なシーンのモザイク。一見、一貫性のないストーリーだが、ちょっとしたショットによって、2人が深く愛し合っていることを実感できる。フェイは、ウィンが傍に居てくれるだけで幸福だった・・・はずだ・・・。だからこそ彼のどんな傍若無人な行為も許してしまえる。だが彼は解っている、このまま2人でいたら、先に進めないことを・・・。
そんな彼の背中を押してくれたのは、仕事先で知り合った旅行者、チャン。南米の最南端の灯台を目指す彼は、そこで「悲しみを捨てる」ことができるとフェイに語る。レコーダーを差し出し、フェイの悲しみを録音すれば、変わりに捨てることを約束してくれる。
即興演出で知られるカーウァイ監督作品には、明確な台本はない。このシーンもファイ役のレオンが監督から要求されたのはアドリブによるセリフ。レオンがここで表現したのは「涙」だった。彼は自然にあがる声を必死で押し殺して泣いた・・・。チャンが最南端の灯台で聞いたのはフェイの泣き声。彼の泣き声が冷たい空と海に溶けて行く・・・。せつなくてせつなくて胸がはりさけそうになる・・・。
この涙のシーンを後にレオンはインタビューで、自然と涙が出てきたと語っている。もともと彼は監督から違う役柄でオファーを受け、ゲイの役とは知らず、半分だまされる形(!)でブエノスアイレスにやって来たのだ、それなのに・・・。優れた俳優の感受性の高さに軽い嫉妬を覚えた。
チャンに悲しみを捨ててもらったおかげか、フェイは1人で香港に帰る決意をする。必死で働き金を貯め、1人でイグアスの滝へ・・・。渦巻く巨大な滝を見ながら彼は何を思うのか?そして残されたウィンは?刹那的に生きることしかできないウィンは、男娼に身を落とし、ついには路上でのたれ死ぬ。そんな未来が私には見える気がした。
そうして故郷に戻ったフェイは新しい恋を始める。そんな未来が私には見える気がした・・・。
全63件中、61~63件目を表示