劇場公開日 2022年8月19日

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ブエノスアイレスのレビュー・感想・評価

全64件中、61~64件目を表示

4.0触れる愛と離れる愛

2014年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

 イグアスの滝を上空から撮った画が、BGMと相まってとても幻想的なオープニング。いつまでも観ていたい快楽を覚える。

 人を愛する中で、幸福を感じることができるのは、愛する相手が自分の手元に留まり、自分が唯一絶対に必要な存在なのだと思えるとき。だから手に怪我をしてシャツすら自分では着ることが出来ないくせに、食事についての文句など、我儘を言いたい放題の相手の世話を甲斐甲斐しく行うのだ。
 しかし、そうした幸福なひと時を除いては、愛することは苦しみばかりをもたらす。相手の不在を嘆き、相手を失うこと、または去られることへの恐怖、嫉妬、疑念、自分への無理解に対する怒り。これらの感情すべてが映画に描かれている。
 物語の最後に知ることになるのは、触れることのできるものへの愛は、苦しくて時に裏切られる。でも、この手で触れることのできない愛は、いつでも自分の中で温かく呼び起こすことができるということ。愛は、相手に触れることで喜びをもたらすが、同時に苦しみももたらすのだ。

 鏡や窓といった枠の中に被写体を入れることで、その表情、心情へと観客を集中させる。また、ブエノスアイレスの街の表情は、水平方向へと広がっていく画になっていて、世界の果てしなさを映し出している。広大さを感じさせる映像により、主人公の二人がいずれ、離れ離れになって、この街の外へと去っていくことが予想される。そして、観客はブエノスアイレスの夕暮れを観るにつけ、ここに取り残されることへの不安を、または、ここから出ていくことへの不安を登場人物と共有する。

 もう、お互いがどこにいるのかも分からないほど、遠く離れたとき、この不安からは解放される。誰にも触れることのできないところまで自分がたどり着いたときに、誰のことを一番に思うのだろう。その思いを愛と呼ばずして、何というのか。

 大好きなトニー・レオンとレスリー・チャンの共演作だ。この上何の不満があろうか。この作品を、ウォン・カーウァイの最高傑作とする人が多いのも大いに頷ける。

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佐分 利信

4.0ゲイの切ないお話は幻想的な映像とともにイグアスの滝に流れる

2014年1月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

単純

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もしゃ

4.5ウェイ

2013年6月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

ゲイのカップルが流れ流れて三千里。
流れ付いたはブエノスアイレス。

まず、ブエノスアイレスって舞台立てが非常に良い。
最果ての地感まんまん。やる気も満々。
もうね、やってます。
やる気!元気!いわき!

だがしかし、一番セクシーに見えるのは地元のダンサーが踊る
アルゼンチンタンゴに見えなくもない。
いやいや、一番グッと来るのは、電話に出る時のトニーレオンの
「ウェイ、、、、」
だ。
ハングルならヨボセヨ。日本語なら、もしもしだ。
この広東語の響きがグッと来るのは俺だけか?

まぁ、公開当時ノリにノッテタ、ウォン カーゥアイ監督の
一番美味しい部分が堪能出来る作品です。

退廃的なトーンの落とした画の中、イグアスの滝に向かって収束する物語は
これまたドン詰まり感満々でいいのだが、
レスリーチャンが太川陽介に見えてきて萎えたりもするが、
良作である事はまちがいなーい。

ブルーレイが出るが、これまたフィルムで、
出来れば場末の名画座辺りで一人で見たい。
が、アマゾン、予約ぽちってしまった。

関係無いが、好きな映画を並べてるみると
どうもゲイをあつかった作品が多いが、
私は男性よりも間違いなく女性が好きだ。
ようするに、ノンケです。はい。
おっぱいダイスキ!!

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ラムザ

4.5涙の意味。

2011年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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Chemy