フィアンセ
劇場公開日:1983年9月17日
解説
戦争という状況の中で、離れ離れになりながらも一途な愛を貫き通す男女の姿を描いたメロドラマ。女流作家エーヴァ・リッポルドの『重き扉の家』を原作に、チェコスロヴァキア生まれで当時の東ドイツ映画界きっての実力派ギュンター・リュッカー(脚本も担当)と、ベルリン生まれで今回が16本目の作品となるベテランのギュンター・ライシュが共同監督。二人は74年の「ヴォルツ/あるドイツ・アナーキストの幻想」において、リュッカー脚本・ライシュ演出のコンビを組んでいる。80年カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭グランプリを受賞、特集上映の東西ドイツ名画傑作選において公開された。
1980年製作/東ドイツ
原題または英題:Die Verlobte
配給:大映インターナショナル
劇場公開日:1983年9月17日
ストーリー
1934年から44年にかけてのドイツ。34年、総統の地位に就いて名実ともに独裁者となったヒットラーに民衆が喝采を送る中、反ナチ運動家のヘッラ・リンダウ(ユッタ・ヴァホヴィアク)は反逆予備罪で捕らえられ10年の強制収容所入りを宣告される。ヘッラは女だけの監房に入れられるが、周囲は売春婦から殺人犯まで、彼女とは別の世界に生きていた女ばかりであった。この中で彼女は自らの人間性を失うまいとつとめたが、ヘッラは孤独感と絶望感にさいなまされながら二年間を過ごす。そうした彼女にとって唯一の心の支えは、同じ反ナチス組織に属する婚約者のライマース(レギマンタス・アドマイティス)の存在だった。彼は獄中のヘッラとの結婚を許可してくれるよう嘆願書を出したが却下され、ただ面会だけが許されている。やがてヘッラは、ライマースの愛と彼に対する信頼から、収容所内のあらゆる抑圧に負けない自分を作っていくのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ギュンター・リュッカー
- ギュンター・ライシュ
- 脚本
- ギュンター・リュッカー
- 原作
- エーヴァ・リッポルド
- 撮影
- ユルゲン・ブラウアー
- 音楽
- カール・エルンスト・ザッセ