ファウスト(1994)のレビュー・感想・評価
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造形物だけでも、アートだ。それが動く。鳥肌が立つ。
ファウストそのものだが、ファウストを読んたり見たりしていなかったので、シュールな話として誤解していた。
2回見た。
芸術だと思う。 足と足の間に穴を開ける。 そして、姦淫に気づく。
ストップモーションの技術と作られる造形物のリアルな所は、もはや、アートだ。造形物だけでも、アートだ。それが動く。鳥肌が立つ。
シュールな話でも魂が輝く。その内、魂が伝説を新たに作る。
但し、軽佻浮薄な気軽さは一切無い。
この映画を見て、自分のシュールな話に対する哲学が作れた。
何でこんなに目が離せないんすかね
同じ監督の「アリス」を先に観たのですが、そっちは最初若干ビビったりダレたりしました。
そっちで先に耐性がついちゃったのかな?それとも主役がオジサンだから馴染みやすいのかな?調子は基本的に似てるのですが、コッチはすんなり入っていけました。
非常に表現が独特で、出てくる全て得体が知れない(なんなら不潔さも感じる)のですが、観ていくうちに実はどいつもこいつも滑稽さがあり愛嬌を感じてしまう。下手したら学芸会か?みたいなユルイシーンもあるのに、有無を言わさぬ迫力が常に伴う。「ファウスト博士」がお題でこういう感触を味わうとは。それでいてやっぱりブラック。説明なんて全くと言っていいほどないのに「ああ、そういうこと…」っていつの間にか納得してしまっているあの構成はちょっと他じゃ見ない手腕ですね。あの人形、直に触ってみたいなぁ。
ただアリスの時も思ったのですが、少し繰り返しがくどいんですよね。道化師が悪魔を呼んだり戻したりするシーンそこまでダラダラやらんでもええやろ…いや、僕が最近の映画のテンポに慣れすぎてるのか?
とにかく他じゃまずお目にかかれない映画体験で、新鮮さと古めかしさのミックスされた妖しさは視覚的に強く引き込まれます。音楽なんて殆どかからないのに最後まで観れる。いかに映像のパワーが強烈かの証左でしょう。
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