「「糟糠の妻」は大切に。」陽のあたる場所 talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
「糟糠の妻」は大切に。
出世欲を持つことが一概に「悪」とは決めつけられないと思いますし、誰しも出世栄達を望むことは、当たり前といえば、当たり前だとは思います。もちろん、評論子を含めて。
けれども、その満足・達成のためには必ずしも感心しないような手段でも選ぶことが許されるわけでもないことも、また自明だろうと思います。
「富と貴とは、是れ人の欲する所なり。 其の道を以て之を得ざれば、これを得とも、処らざるなり。貧と賤とは、是れ人の悪(にく)む所なり。其の道を以て之を得ざれば、これを得とも去らざるなり」というのは中国の古典(論語)ですが、ハリウッド映画本作のような作品を観ると、このことは、洋の東西を問わない真理なのかとも思います。
とりわけ「糟糠の妻」は、大切にしなければ、ダメてますよねぇ。本作のような場合は。
人間の欲の醜さをストレートに描いた作品とも評することができるでしょうし、また「せっかく得られかけた出世の糸口も、灰燼に帰してしまいますよ。」という啓示的な一本だったとも評することができると思いました。評論子は。
私が参加している映画サークルで、上映会で取り上げることになったことで鑑賞しました一本でしたが、これも佳作であったと思います。
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