「触れる、終わる、」ヒッチャー(1986) えふいーねこさんの映画レビュー(感想・評価)
触れる、終わる、
雨の秋の朝。ヒッチャー見るにはぴったりだと思って配信で探したけど無し、なので脳内鑑賞にて記憶で書きます。(記録は本日付けにします)
見渡す限りの荒野のハイウェイ、軋るような、遠く響くような音楽がまず印象に残る。
ブレードランナーのレプリカント役があまりに印象的だったルトガー・ハウアー、あれ以上のインパクトは無いと思ってたら、本作で勝るとも劣らないくらいの強烈なキャラクターを演じています。いや演技に見えないくらいの、そこにいるかのようにおそろしい男、ジョン・ライダー。
そんな男になんでか「見込まれて」しまった、ジム・ハルジーは大変な、本当〜にヒドい目にあう。一番気の毒なのはダイナーの女の子、ナッシュだけど。
初見の時、ジョン・ライダーが銃の片手撃ちでアッサリ、ヘリコプターを落とすシーンを見て、「ヘリコプターってあんなすぐ壊れて落ちるモノなんだ…危な…」と思ったのですが、実際にはどうなんでしょう。
とにかく、この映画観てから、まだ10代だった私はルトガー・ハウアーにひたすら追われる悪夢を何度も見ました(ルトさん好きだから、嬉しい悪夢でしたが)。それくらいインパクト強かった。
公開時のチラシとポスターにあったコピーは、
「地獄にふれる、青春の最終章」
だったと思います。(今ならツダケンに予告ナレーションしてほしい、いやエンケンさんのが合うかな) このフレーズに作品のテイストが凝縮されてますね、触れてしまった、ジムはもうここから戻れない。青年に課されたあんまりな理不尽、なぜか通過儀礼的でもあって、見終わって妙なカタルシスが残ります。
なんだったんだ?ジョン・ライダー??
なにもわからないがゆえに、忘れがたいのです。
余談
公開当時、ルトガーファンの同級生と申し合わせてバイトを休み(サボり)、都内の映画館で見た思い出があります。見終わって「怖!ヒド!でもルトさんすてき」と盛り上がりました。
ルトさんももう故人、さみしいです。