「天は二物以上を与えた‼️」美女と野獣(1946) 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
天は二物以上を与えた‼️
世間で「美女と野獣」と言えばディズニー・アニメなのかもしれませんが、私にとってはこのジャン・コクトー監督作品なんですよね‼️詩人であり、劇作家であり、画家でもあるジャン・コクトー監督(天はいったいいくつ才能与えたんだよ?)が、その奔放なイマジネーションで描く香気あふれる映像詩ですね‼️夢や超自然現象、奇跡が同居する絢爛たるファンタジー‼️「オルフェ」と並ぶコクトー監督の最高傑作だと思うし、ホントに大好きな映画です‼️美しい娘ベルが野獣の城に人質に取られるが、野獣の気高さ、いじらしさに愛をおぼえるようになる・・・‼️私が本格的に映画を観始めた高校生の頃に初見、まるで童心に戻らせてくれるような幻想的なファンタジーの世界に息をのんだものです‼️ベルが野獣の城に行くと、暗い壁から人間の手をした燭台が無数に突き出て、ベルが近づくとローソクの灯が次々にともり、手招きをするように燭台が動くシーン‼️ヴィランであるアヴナンに動かないはずのダイアナの彫像がゆっくり動き出して、キリリと弓を引きしぼり矢を放つシーン‼️ベルが野獣の城の長い廊下を歩いているのに、まるで滑っているように見えるシーン‼️そしてベルと王子の姿に戻った野獣がふわりと空中に浮き、星のきらめく夜空をどこまでもどこまでも昇ってゆく素晴らしいラスト・シーン‼️現代の最先端のSFXやCGに比べると、ショボくて子供だましのようなものなんでしょうけど、モノクロ映像の効果もあって、ホントに美しい特殊撮影になってると思います‼️そしてジャン・マレー‼️野獣のマスクというかメイクなので、眼と動作だけで野獣の感情、心理を表現した、その眼力‼️哀愁漂い、純粋で、男の色気のあるその眼‼️野獣、王子、ヴィランという一人三役をこなした、その演技力も素晴らしいの一言‼️原作は有名なおとぎ話らしいんですけど、だからといって「子供向け」ではない‼️ベルと野獣の関係に性的なニュアンスがほのめかされることからも、今作はダークな大人のためのファンタジーの名作です‼️ディズニー・アニメしか知らない人は観たらビックリするかも・・・‼️
