「キム・ノバック、ああキム・ノバック、キム・ノバック❗」ピクニック(1955) もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
キム・ノバック、ああキム・ノバック、キム・ノバック❗
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手拍子を取りながら体を左右に振りつつ階段を降りてくるピンクのドレス姿のキム・ノバックの美しいこと!ウィリアム・ホールデンでなくとも口をあんぐりさせて看取れてしまうこと疑いなし。ウィリアムズ・インジの作品にはほかの作品もそうであるように、底流にはセックス(性)への暗示がある。男という性の塊のような(裸の露出が多い)ウィリアム・ホールデン(それにしては少し年取りすぎているが)の闖入が、田舎町の女達の取り繕った仮面の下にあるものに作用し始める。リー・ストラスバーク演じる妹(少女)は免疫がないため、恐らく自覚のないまま惹かれ(しかし女の性では先を走るの姉には到底かなわない)、オールドミスのロサリンド・ラッセルは酒の勢いに任せて己の秘められた欲望を露にしてしまう。勢い、ウィリアム・ホールデンはこのコミュニティ(その中心にいるのはキム・ノバックの元婚約者)から出ていかざるを得ない。そして、そのコミュニティな中に囲いこんでおこうという母親に逆らって、この映画の女達のなかでは唯一女の性を憚ることなく表に出せる(何せ町一番の美女ですから)キム・ノバックは(ハッキリ言って男のセックスに惹かれて)コミュニティからの脱出に成功する(このコミュニティの中に閉じ込められることに鬱々としていたのは映画の冒頭からの描写に明らか)。映画ではいちおうハッピーエンドみたいだが、この後この二人が果たして上手くゆくかどうかはハッキリ言ってわからない。でもそれはまた別の話。
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