「本当にミンチにされていたのは肉体ではない 心だ、苛烈な戦場で戦う兵士たちの心がズタズタのミンチにされていたのだ」ハンバーガー・ヒル あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
本当にミンチにされていたのは肉体ではない 心だ、苛烈な戦場で戦う兵士たちの心がズタズタのミンチにされていたのだ
最も心に残った台詞
「アメリカの戦争」
ベトナム人?の慰安婦がそう言う
それまで上機嫌で湯船に浸かって彼女のマッサージを喜んでいたアメリカ兵はいきなり不機嫌になる
誰の為に地球の反対側まで来て大変な目に遭って戦っていると思っているんだと
古里の恋人からは戦争に賛成する事になるからもう手紙を書かないとか書いて寄越す
ハンバーガーヒル
新鮮な人間のミンチが毎日こねくり回されるところ
後半はそのシーンが延々と続く
しかし1987年の製作だからVFXもさほど進んでいない
ハクソー・リッジのようなガチで人体のミンチがそのまま写されるようなものではない
そちらの方がよほどハンバーガーヒルだ
だが待て
本当にミンチにされていたのは肉体ではない
心だ、苛烈な戦場で戦う兵士たちの心がズタズタのミンチにされていたのだ
現場から離れた司令部は、戦場の実態を知らずに攻撃が弱いと批判してくる
ヘリは支援攻撃してくれる筈が同士撃ち
故郷の恋人は戦争反対と縁を一方的に切ってくる
マスゴミは正にゴミのように、これから命のやり取りをする戦場で反戦コメントを兵士たちから取ろうとする
ハクソー・リッジではそんなことは無かった
両軍ともプライドをもって死力を尽くして戦ったのだ
敵よりもまえに味方から心を挫かれることはなかったのだ
それでも悲惨な戦場で突撃しなければならないのだ
こんな地獄はない
ハンバーガーヒル
それは1969年のベトナムのとある戦場
しかし21世紀の日本で、台湾で再現されるかも知れないのだ
尖閣、台湾、南西諸島、沖縄
日本の生命線である以上、自衛隊は有事があれば必ず戦うだろう
しかし自衛隊の隊員達をハンバーガーヒルに送り込む事になるのかもしれない
誰の為に戦うのか
戦うプライドは与えられるのか?
自衛隊隊員の心がズタズタのミンチにされてしまうのは悲しすぎる
絶対に駄目だ
そのつけは必ず私達国民が払うことになるのだ