劇場公開日 1966年4月1日

「多くの作品で引用される程の戦争映画のスタンダードであり金字塔だ」バルジ大作戦 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0多くの作品で引用される程の戦争映画のスタンダードであり金字塔だ

2018年12月26日
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戦争映画の中でも一二の面白さ
とにかく脚本が素晴らしく練れていて見事
縦糸にヘンリー・フォンダ演ずるカイリー中佐の物語、横糸にドイツ軍機甲部隊の指揮官ヘスラー大佐など大量の人物の物語を配しながら、3時間を全く飽きさせないで物語を進行させ、それでいてお話に複雑さはなく、大きな軍事作戦の全体像を観るものに見事に伝えてくれる
そこに二人の美女を絡ませるシーンをそれぞれ用意するのだから恐れ入る
それも無理やり感無しで
全盛期ハリウッドの脚本力の強力さが分かる

軍事マニアの立場からすれば色々とやれ実物と違う、やれ史実とはここが違うと言いたいことは多々あれど、CGでない本物の戦車が大群となって進む映像の迫力は問答無用で、まさにタイガー戦車のようにそんなことは黙らせてしまう無敵の破壊力を持っている
現代なら完璧な軍事考証のタイガー戦車をCGで大群で登場させられるだろうが、この本物の迫力はとても太刀打ち出来ないだろう

そしてヘスラー大佐が全く絵に描いたようなドイツ機甲部隊の指揮官そのもの!
砲塔の指揮官ハッチから戦車兵の黒い軍服で上半身をのりだし、端正なキリリとした顔と金髪の上にのる黒い小さな戦車帽
この出で立ちで双眼鏡を持ち辺りを見渡す、その勇姿!
これを見たら、どんなうるさがたでももうなにも言えまい

そして地下秘密司令部での戦車長の閲兵での戦車兵の歌の合唱シーンは鳥肌がたつほどの格好良さ!
このシーンは宇宙戦艦ヤマト2199でドメル将軍が同盟国のザルツ兵の閲兵シーンでオマージュされている

そして特に有名なのは、包囲されたバストーユのアメリカ軍守備隊の司令官の回答「ボケナス」の台詞だ
これは史実のエピソードだが本作で有名になった
そして元祖宇宙戦艦ヤマトの冥王星会戦での沖田提督のガミラス艦隊の降伏勧告への回答「バカメ!」でオマージュされている

このように本作は多くの作品で引用される程の戦争映画のスタンダードであり金字塔なのだ

あき240