「真理がわれらを自由にする。」薔薇の名前 なおさんの映画レビュー(感想・評価)
真理がわれらを自由にする。
今は亡きコネリー様を偲ぶ。
原作既読。原作は、重層的に織り込まれた意味のおそらく10分の1も理解できていないと思うのに、表の皮一枚でしかない探偵小説の部分だけでもメチャメチャ面白い、という稀代の名著であった。
映画版はそこに迫ることはできないのだけれど、それでも滋味あふれる賢者の佇まいのコネリー様、そしてまだ10代半ばピチピ…溌剌とした生命力あふれるスレイターのコンビは、陰鬱とした修道院の闇を照らす一筋の灯火のように謎に迫っっていく。
知識は力であり特権であり、権力の象徴でもあった時代を窺い知ることで、ようやくここまできたんだという事を噛み締めつつ、逆戻りすることだけは避けたい、と強く思った。
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