バファロー大隊のレビュー・感想・評価
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フォード監督は法廷劇のつもりではないのかも?
ジョン・フォード監督は証人の語りの話を
順に描いていくだけで、実は法廷場面を
ストーリー展開上の手段に使っただけで
あって、本人は法廷劇を撮ったつもりはない
かも知れないと思った。
その上でこの映画、
本旨の人種問題周辺に散りばめられた
サスペンス・アクション・恋愛・ユーモア
の各構成要素を上手くまとめ切れていない
感がある。
特にフォードのユーモアは
本旨に絡むものではなくその場だけの、
いわゆる笑いを取るというレベルで、
他の監督に比べてユーモアセンスには
秀でていない印象を受ける。
また、最後に浮上した容疑者の、
更にその父が犯人だったとの
唐突で不自然過ぎる白状の展開は、
それまでの黒人差別問題の本旨からは浮いた
ような映画の終わらせ方で、
ほとんど意味の無いように感じる。
それにしても、黒人曹長がバファロー大尉
であるとまで描くフォード監督だが、
彼はネイティブアメリカンのために
かなり尽力された人と
ある方に教えて頂いたものの、
少なくとも映画表現上では、
ネイティブアメリカンと黒人に対する認識
にかなりの差があるように思えて、
何故だろうとの疑問がこの作品でも
浮かんで来てしまった。
何れにしてもジョン・フォードは「駅馬車」
「怒りの葡萄」「わが谷は緑なりき」を
撮った40代が監督のピークだったような
気がしています。
バファロー隊は高潔な人物揃いで単純
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:60点 )
西部劇かと思いきや実は法廷ものという変わり種な作品。まだ差別の強い社会で黒人が法廷で裁かれるが、騎兵隊所属の登場人物たちがみんなあまりに高潔で勇敢すぎるために、最初のほうで無罪か有罪かは簡単にわかってしまうのは単純思考でやりすぎでよくない。真犯人捜しのほうは、自分では当初から商店の息子クリスだろうと想像していたか、この結末は裁判を通じてちょっと盛り上がり楽しめた。
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