「OA5599」バニシング・ポイント 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
OA5599
70年型ダッジ・チャレンジャーで爆走する独りの男が走り続ける理由に明確な答えがあるとは思えない、何を諦めたのか、何に納得出来たのか、最後の選択肢が衝撃的で呆気ない結末として、断片的に映し込むコワルスキーの過去から想像しうる人物像と呑み込まれそうになる広大なアメリカの景色に自由を狭められる歯痒さ。
ドキュメンタリーとして捉えられる年老いた男から若いカウボーイの面構え、HONDAのバイクに跨がる全裸の女、チョッパーを荒馬の如くコントロールが定まらない助っ人、ゲイのカップルは本作と同じ71年のモンテ・ヘルマン監督作『断絶』でハリー・ディーン・スタントンが演じた役柄を思い出したり、本作の象徴的キャラクターでもあるDJスーパー・ソウルがファンキーでハイテンションな喋りを爆走するように畳み掛ける!!
黒い車とすれ違うコワルスキーのダッチ・チャレンジャーが消失する10時02分と衝撃的なラストの10時04分が異様なファンタジーにも思えてきて時間軸が歪んでいる、単に最高で格好良くて憧れてしまう世界観にデカいスクリーンで浸れる多幸感だけで万歳!?
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