劇場公開日 1986年12月13日

「ハタと気がつきました 「トップガン マーベリック」とは、実質的に「ハスラー3」だったんだ!と」ハスラー2 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ハタと気がつきました 「トップガン マーベリック」とは、実質的に「ハスラー3」だったんだ!と

2022年8月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

最初の「ハスラー」は、1961年の作品
本作は1986年の続編
劇中でも同じだけの時間が経っています
主人公のエディも演じるポール・ニューマンも25歳年をとって最早初老になっています
ポール・ニューマンと同じとすれば、61歳です

賭ビリヤードからは足を洗って、酒のブローカーをしているというので、真面目に人生を送っているかと思うと大間違い

その商売の実態は、街から街の旅の流れ商売で闇酒を田舎街の場末のバーに売りつけて、バーはその安酒を正規品の酒瓶に混ぜて売れば儲かるだろ?というインチキ商売です
闇の仕入れルートは、正規品の倉庫か配送トラックからの荷抜きならまだままし、闇酒造と思われる得体の知れないシロモノ
正規品のラベルまで偽造しているようです
つまりまともな正業じゃありません
怖いお兄さんに見つかると大変です
というか、どこかに上納金を収めているのでしょう

前作のサラとの一件は、もう何もかも忘れ果てているようです

切った張ったの鉄火場の殺伐とした生活から足を洗ったのは一体なぜなんでしょうか?

全米一のハスラーになってみせる!
サラを失うほどに打ち込んだ勝負の世界から逃げたようにしか見えません

ヘラヘラと場末のバーでいかがわしい商売をして、好みの女性がいればねんごろになる
その繰り返しでお気楽に生きて来たのでしょう

アメリカに還暦なんてものは有るわけないです
でも60歳も超えたなら、この先どうするのかアメリカ人だって考えるでしょう

独り者のまま老人になり果てるのは、さすがに辛い
気のいい優しい女と、少しばかり溜め込んだ小金で田舎街でのんびり暮らしたいものだ
そんな考えでいるようです

ビリヤードへの情熱はとうに消え果てて、趣味的に適当に小遣い稼ぎ程度にするだけのようです
精神的に老いたのでしょう

ところが、胸の奥底にはこのまま老いさらばえたくない!朽ち果ててしまいたくないという足掻きにも似た思いがくすぶっていたのです

たまたま旅の行商で来ただけの田舎街のビリヤード場で才能ある若者ヴィンセントを見かけた時、そのくすぶりが燃え上がったのです

自分が成し遂げられなかった夢をこの若者で実現しよう
それができたならもう思い残すことはない
胸の中の燃え尽き損ねたビリヤードへの情熱も消えるだろう

そんなことから本作のお話は始まります

しかし武者修行しながら、大会のあるアトランティクシティに向かう旅の途中から、自分自身に火がついて大会に自分が出場するのです

結局、若者の方が一枚上手であったというオチが待っています

ポール・ニューマンは本作で念願のアカデミー主演男優賞を遂に獲得しました

若者を演じるのはトム・クルーズ
今、続編が超大ヒットしているあの「トップガン」の次の出演作です
24歳で、若さが弾けています
ポール・ニューマンとの歳の差は37歳

「トップガン マーベリック」と「トップガン」も、36年の時の流れがテーマのひとつでした

トム・クルーズがハスラーの権利を得て、「ハスラー3 」を作ってもいいじゃないか
そう思いませんか?

でも、そこでハタと気がつきました
「トップガン マーベリック」とは、実質的に「ハスラー3」だったんだ!と

若者もいつしか、歳をとって老人になる
次の若い世代がかっての自分のように活躍する時代になった
自分はこのまま引退するだけなのか?
そうじゃない
老害になってしがみつくのではなく、若者を鍛えて、若者が出来ないなら自分でやってみせる
適当に今まで生きて来たけれど、もう一頑張りしてみよう

それは本作も「トップガン マーベリック」も同じテーマであったのです

本作のポール・ニューマンの役を、トム・クルーズが、「トップガン マーベリック」でやってみせていたのです

1961年の前作と比較すると、残念ながら圧倒的な感動というものはないですが、十分に面白く味わいも深いです

こうして「トップガン」の続編との類似に気付くとさらに感慨が、本作にも「トップガン マーベリック」にも双方に深まりました

あき240