蝿男の恐怖のレビュー・感想・評価

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3.5古典的SFの悲劇的人間ドラマ

2024年3月16日
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鑑賞方法:DVD/BD

古典的SFの悲劇的人間ドラマ。

この映画を知ったのは学生時代、週刊少年チャンピオン連載していた藤子不二雄の漫画「魔太郎がくる!」で紹介されたとき。魔太郎に続けて連載された「ブラック商会変奇郎」でもこの蝿男が出て来る。よっぽど藤子不二雄はこの映画のシチュエーションが気に入っていたのだろうな…。
(魔太郎全13巻、変奇郎全5巻は、いまだに愛読書)

この映画、学生時代に観た時の記憶はモノクロだった気がしていたが、あらためて観るとテクニカラーのワイドスクリーン!
物語も、家族ドラマが多めで、蝿男登場シーンが少なめな感あり😅
物体転送装置を発明した科学者が実験を繰り返し、物の転送、動物の転送などを行って、改良して完成した装置。そして自分を転送する時に蝿が……という有名な物語。
『ザ・フライ』などリメイクされているので物語の概要を知っている人は多かろう。

ただ、今回観て意外だったのは、男と蝿が転送されて「蝿男だけが生まれてしまう」と思っていたら、男と蝿を転送すると「蝿の顔と左手を持った人間」&「男の顔を持った蝿」の2つとして転送されたこと。
『ザ・フライ』などもだいぶ前に観て、記憶が塗り替えられてしまったか…(^^;

「蝿男の複眼から見た妻の顔たくさん」などのシーンは見事!

なかなかのSFと人間ドラマだった🎥✨

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たいちぃ

4.0特撮ファンは必ず観ておかなければならない重要作品です

2020年9月11日
Androidアプリから投稿

ザ・フライのオリジナル版です
さすがSF映画の古典です
大変良く出来ています

感覚としては東宝特撮の変身人間シリーズと似た味わいがあります
本作は日本未公開で、米国では1958年7月の公開
美女と液体人間は同じ1958年でも6月ですから、日米時を同じくこのジャンルを開拓していたということです
但し1960年の東宝特撮の電送人間は、明らかに本作の物質転送機のアイデアをふくらませたものになっています
しかし人間とハエがミックスされるという本作の肝は使われていません

本作のこのミックスというアイデアを本格的に取り入れた日本の特撮作品は、実は他にあります

それは昭和の仮面ライダーです!
ショッカーの改造人間は物質転送機ではないものの、何らかの科学力によって人間と昆虫や動物とミックスした存在です

つまり本作は令和にまで連綿と続く最初の作品、昭和の仮面ライダーの改造人間の発想の原点になるものなのです

実際に初代仮面ライダーの第42話「悪魔の使者 怪奇ハエ男」という回があり、怪人ハエ男が登場します

遺伝子工学が発展した今日、このような改造人間は夢物語ではなく、現実に誕生しうる存在であるのです
これこそが本当の「蝿男の恐怖」です

特撮ファンは本作を必ず観ておかなければならない重要作品です

ところであの転送失敗した猫
あれきり登場しないのはもったいなさすぎ
伏線として回収して欲しかった

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あき240