「パーフェクトワールド」パーフェクト ワールド sebasさんの映画レビュー(感想・評価)
パーフェクトワールド
パーフェクトワールドとは程遠い生いたちや現実の生活。
それでも、つい昨日までは他人だった人同士、黒人と白人の、男と女が、子供同士が、手を取り合って踊っている、あの短い時間は、まぎれもなくパーフェクトワールドだった。
暴力さえなければ。。
子供の頃、親に連れられ映画館で観て大好きになった映画です。5~10年ぐらいの期間で見返してます。子供のいる年になって観るとまた別の味わいがあります。
重さもありますが、警察サイドがコメディ入ってたり、ブッチと少年フィリップのやりとりが微笑ましかったりと、バランスが絶妙で観やすいと思います。
父親像や正義や信念について考えが及ぶ映画です。
そしてキャラクターがとても魅力的。
子供大好きなブッチがかわいく、トラウマのあるブッチをかわいそうにも思いつつ、侠気のあるブッチがかっこいい。
ケビン・コスナー今観てもかっこいいです。
印象的なセリフがたくさんある中で、少し考え込んでしまうセリフを一つ紹介しますと、
「やはり、記録はいい加減だ」
これは、
「なぜ4年の実刑を?保護観察にできたはずよ、家があり父親もいた」
(父親は窃盗で挙げられたけど出所後は足を洗ったと記録にある)
と問われた時の警察署長のセリフ。
警察署長は、根っからのワルの親父から引き離すためにあえて少年院送りを勧めたと語ります。
けれどもブッチは父親を慕っていた、父親からの手紙を大事にしていて、短いが優しい手紙だと語るシーンがあります。
ブッチの父親は、警察署長の語る「根っからのワル」だったのか、ブッチが自身を語ったように「良い奴ではない、けれど根っからのワルでもない、人と変わっているだけ」なのか。
ブッチにとってどちらが本当に良かったのだろうか。