パーティのレビュー・感想・評価
全2件を表示
古き良きアメリカ製のゆるゆるコメディ
インド人役者扮するピーター・セラーズが映画会社の手違いにより社長夫人主催の邸宅パーティに招かれるが、トラブルメーカーゆえにパーティをめちゃくちゃにしてしまう…というスラップスティックコメディです。
起承転結の物語性があるわけではなく、基本的にはセラーズを含めたトンチキな登場人物達のしっちゃかめっちゃかな振る舞いが本作の見どころと言えそうです。ドリフターズのコントにさらにお金をかけてゆる~く仕上げたものを想像していただければ大体のイメージは掴めるかと思います。
爆笑を誘うようなコメディではないですが、セラーズの独特なたたずまいに好感を持てる方なら、お酒片手にほろ酔い気分で見る程度には十分楽しめる作品かなと思います。
セラーズのインド人設定や、途中からパーティに乱入してくるロシア人楽団、ヒッピーたちなどの人種的・思想的なキャラ付けは、物語としてはあまり有効的に作用していたとは思えませんが、公開年が1968年ということなので当時のヒッピームーヴメントを取り入れようとしたのかもしれません。
パーティ会場が泡だらけになってしまうラスト数分のシークエンスはこの映画の一番の見どころですので、物語には興味がない方もそこだけはぜひともご覧いただければと思います。
招かれざる客
どんな業界でもたまにはドジを踏む問題児がいるものだが、いくらなんでも作りすぎ、バクシ(ピーター・セラーズ)は並のトラブルメーカーを遥かに超越、最早、疫病神か悪魔の領域でしょう。
そんな彼を間違ってパーティに招いてしまったのだから会場はさながら地獄絵図・・。
インドの俳優の設定だからか濃いメークで目ばかり目立ち不気味な形相、悪意はないから始末に困る。監督の流儀なのだから仕方ないがこのわざとらしさを笑える人がうらやましい。
それでもどうにか耐え抜いて、パーティも終盤、小象が出てくるころからは参加者全員でシッチャカメッチャカ、特に主催者の奥さんは悲鳴をあげながら何度もプールに落ちるところは吉本喜劇のようなコテコテさなので大笑い。ブレイク・エドワーズさんは古典的なスラプスティック・コメディの方が向いていますね。
なんでもエルヴィス・プレスリーはこの映画の大ファンだったそう、言われてみればそっくりさんが出ていました。女優の卵のモネ(クローディーヌ・ロンジェ)がギターの弾き語り、「グレートレース」でナタリーウッドがムーンリバーを歌ったシーンを思い出しました。こんなおふざけ映画にヘンリーマンシーニさんも良く付き合ったものだとお気の毒に思えましたがお仕事はきっちりなさっているので敬服です。
冒頭のセットの誤爆のシーンですが続夕陽のガンマン(1966)撮影中にも似たような失敗があったようです。細かいことですがスポーツカーのシーラカンスといわれたモーガン スリーホイラーが登場、カーマニアには受けたでしょう、おそらくマニアや業界人なら頷けるパロディが他にも多く仕込まれているのでしょう。
脚本は考想のみで56ページ、殆どアドリブで撮ったようです。おそらく、これほど酷くはなかったでしょうが似たような打ち上げや業界のパーティがあり、参加者の悪乗りでいっそ映画にしてしまおうぜと盛り上がったのでしょう・・。
全2件を表示