「細かいところまで釘付け」イノセント(1975) 雨だれさんの映画レビュー(感想・評価)
細かいところまで釘付け
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主人公の俳優さんは「バチカンで逢いましょう」で出てきたおじ様だったのか。
細かいところに最後まで釘付けになってしまうのは、さすが。
中でも印象に残るのはリラの館、あの明るい心地よさげな雰囲気。
主人公たちは、「自由に生きるのだ」とやたら主張し、その方が素晴らしいのだと言わんばかり。なのに彼らは実際は気持ちが不安定で不幸せそうだ。パートナーを失いはしないかといつもビクビクし、相手には「自由」を認めず拘束しようとする矛盾。
トゥルーリは顔色悪く(もしや愛人の気をひくための化粧?)、無表情だ。健康的で明るい弟と対照的。 何にも拘束されないのだから欲望を駆り立てない大抵のことには無関心、ということらしい。
無神論、自由。聞こえはよいが、イコール、精神的な軸を失い心はさ迷うことに…。西欧文明の一側面かと思うけれど、 いずれにせよ、 これは明日どうやって食べていくかを心配しなくてよい層の話だ…。あまり自分には関係なかった。
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