劇場公開日 1921年12月30日

「チャップリンのゴルフ狂時代」のらくら 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 チャップリンのゴルフ狂時代

2025年9月15日
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鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

カワイイ

1921年公開の無声映画

監督と脚本は『キッド(1921)』『黄金狂時代』『モダン・タイムス』『独裁者』『ライムライト』のチャーリー・チャップリン

冬のフロリダのリゾート地にやってきた山高帽の浮浪者はゴルフ場に紛れ込み流れでゴルフを始める
正規のゴルフ愛好家は邪魔をされカンカン
なんやかんやで金持ちたちの優雅な仮装舞踏会に参加
シルクハットを被った金持ちの紳士にそっくりな浮浪者は妻にも妻の父にも区別がつかず勘違いから間違わられてしまう

タイトルが『のらくら』ではピンとこない
キャッチーじゃない
それなら直訳したほうがまだ良い
日本では別名『ゴルフ狂時代』
原題『Idle Class』
森口博子が在籍していた頃の堀越学園をイメージするが全く違う
Idleは「働いていない」という意味もある
森口博子もアイドルデビューしたもののなぜか働いていなかった
謂わば「働いていない階級」と解釈するべきか
Wikipediaでは「怠惰階級」が正しいらしい
日本のアイドルはあんなに働いているのに働いていないとはこれいかに

よく尻を蹴られる
笑いどころ
最後は紳士の妻の父の尻を蹴り逃げるのがオチ

何度も突き飛ばされ今度は突き飛ばされる前に仰向けになるシーン好き
ジェシー・メイビア戦のキン肉マンを思い出した

そっくりさんだが二人同時は当時の技術ではとても手間がかかるので鎧で誤魔化している
最後の方では缶切り?で顔が少しだけ出ているがちょび髭をつけてチャップリンっぽいメイクをすればそっくりさんの完成である

なぜかゴルフ場で口を開けて仰向けで寝ているおじさん
恰幅の良いお腹を何度も踏むチャップリン
その度にゴルフボールが口から飛びだすシーンは笑える

当時はゴルフといえばブルジョワだが今も自分は金持ちがやるものと思っている
大企業で働くおじさんが住宅地の近くにあるゴルフの打ちっぱなしで休日を過ごす東京近郊の埼玉県民をイメージする
客観的視点なら彼らは決して金持ちではないんだけど曲がりなりにもさいたま市などで家を建てたのだから成功者の部類だろう
いくら庭が小さくしょぼくても片田舎に定着したものとしては羨ましい

配役
山高帽の放浪者にチャーリー・チャップリン
シルクハットの裕福な紳士にチャーリー・チャップリン
紳士の妻にエドナ・パーヴァイアンス
妻の父にマック・スウェイン
ゴルフ場で寝ている男にヘンリー・バーグマン
警官の制服姿の訪問客にヘンリー・バーグマン
ゴルファーにジョン・ランド
ベンチで隣り合う男にアラン・ガルシア
スリにレックス・ストーリー
メイドにリタ・グレイ
訪問客にグランヴィル・レッドモンド
訪問客にロイヤル・アンダーウッド

野川新栄
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