野のユリのレビュー・感想・評価
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カトリックに対する皮肉を込めているのか
陽気なホーマーと偏屈なマザーマリアという対照的な二人の掛け合いが、シュールな笑いを生む映画だった。冒頭、真顔でじっと見つめてきながら一方的な要求をするマザーマリアと、それに困惑するホーマーの姿に笑った。
作中の台詞や、ホーマーの教会建築の様子を見ていた人々が手伝うようになる展開から、信仰心だけでは何もなし得ないという、俗世間の常識と乖離したカトリックに対する皮肉と、人が動くところに人が集まり、大きなことを成し得るというテーマを込めた映画なのかなと解釈した。
ただ、今作で建築したのは小さな教会だが、歴史に残るような大聖堂の建築の場合、やはり強い信仰心があってこそ多くの人や資金を集めて成し得た部分が大きいと思う。そのため上記の解釈だとズレているのかなと、いまいち腑に落ちなかった。
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シドニー・ポワチエが黒人として初めてアカデミー賞を獲得した作品
途中、アメリカ式の歌を教えるシーンは『天使にラブソングを』の原型のよう。町のミサへ出かけたときに見栄をはってしまい、教会を建てる気はないが彼女たちに英語を教えることに満足しているホーマー。神の使いだと思われ、結局教会建設工事も請け負うことになってしまった。建設業者に週2日で雇ってもらい建設機械も借り、資金や資材はシスターたちが寄付を懸命に募る。それでも食事に肉を入れてもらえず鬱憤がたまるホーマーであった・・・
なかなかレンガが届かないことに苛立ちをおぼえ、教会を飛び出してしまったホーマーであったが、3週間後に戻ってくる。町の人たちも手伝ってくれて教会が完成!院長は図々しいというか、教会が終わったら病院や学校などとキリがない。『海辺の家』とは違った建設ムービーだ。
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