「早稲田松竹にてデジタル版とフィルム版見比べる。」ノスタルジア(1983) ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)
早稲田松竹にてデジタル版とフィルム版見比べる。
高田馬場の早稲田松竹にて、「サクリファイス」と「ノスタルジア」のアンドレイ・タルコフスキー監督二本立てを鑑賞したが「ノスタルジア」のみ、デジタル版と35ミリフィルム版を同日の時間違いで上映する素晴らしい企画があった。
睡眠導入剤映画と名高いソ連の巨匠アンドレイ・タルコフスキー監督を2回連続で見るのはシンドイのでは?と思ったが貴重な機会なので、挑戦。
最初にデジタル版(10分ほど睡眠に襲われたが)を見てからフィルム版を鑑賞。
その後に35ミリフィルム版を鑑賞。
かなり古いフィルムで、キズもあり若干退色しているが、コントラストが穏やかでディテールが潰れておらず色や彩度も豊かで柔らかい画調で大変美しくて見やすいので驚いた。
デジタルリマスター版は、コントラストが強く硬質でディテールも潰れ気味。色もアッサリしており、まるで別の映画。
デジタルへの変換作業や素材の問題もあるかもしれないが、やはりオリジナルフィルムの保存がまだまだ必要と感じる。
映画もともかく映像の詩人のタルコフスキーなので、画面の美しさに酔いしれる。
タルコフスキーお得意の水周りの描写の美しさは、近年の撮影技術が進歩した映画と比較しても素晴らしい。
ちなみに難解だと思ったが、2回連続で見ると割と腑に落ちてお気に入りになった。
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