肉弾鬼中隊(1934)のレビュー・感想・評価
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ジョン・フォード監督なので一応観ました
見えない敵相手に一人また一人と撃たれていく...
フィリップ・マクドナルドって人が、お気に入り作の「サハラ戦車隊(1943年)」と同じ原作者とあり期待して観ました。
邦題から察するに、エグい場面があったり、狂気に満ちた隊員かと思いましたが、あってもごく僅かなので緊張せず気楽に観れます。さすがに古い映画のためか恐怖のリアル感は伝わりにくいです。
また、音楽が何かメロドラマにありそうな、ほのぼのとした雰囲気の曲があったりして戦争映画に合ってないような...私的には違和感ありましたし、助けに来た飛行機の人なんて降りたら...コメディかと思ってしまう部分でした。
「極限状態に追い込まれた人間の心理描写に力点を置いた」とあらすじには書いてあったのですが、(宗教ぽい人も含め) 待機中いろいろ話してて結構アットホームに見えたけどなぁ。。。銃を構えてる時も人情味ある話したり、極限状態え?団結してた方だと思う。1人1人バラバラってほどではないです。
蛍の光かよ。。。
そういう見方の人もいるということで御了承ください。せっかく観たのでレビューしました。
第一次世界大戦の頃
『駅馬車』などの娯楽大作で知られるジョン・フォードの初期中編作品。
本作は第一次世界大戦というセンシティブな題材に対してきわめて冷たく、厭世的に臨んでいる。とりわけ冒頭シーンは鮮烈だ。馬に乗った米兵が砂漠の真ん中を不安げに彷徨う。するとバン、という音がして、米兵は糸の切れた操り人形のように馬から転げ落ちる。そこには悲劇を彩るようなBGMもなければ、迫真のカット割りもない。死という簡明な事実だけが含みのない望遠ショットによって伝えられる。
砂漠に追い詰められた兵士たちは戦争の大義を見失っていく。ある者は気宇壮大な夢物語に浸り、またある者は狂信に絡めとられる。はじめこそ戦争に対する勇猛果敢な意気込みを語っていた中隊長でさえ、姿の見えないアラブ兵に一人、また一人と部下の命を奪われていくうちに少しずつその精神を蝕まれていく。
彼らを心身ともに追い詰めたアラブ兵たちの姿は最後まで明示されない。それは憎むべき個人などはどこにも存在せず、ただひたすらに戦争という実体のない現象だけが悪なのだ、という達観の表れのように思われる。
ただまあこれはアメリカが第一次世界大戦という状況に置かれていたからというほかない。現に第二次世界大戦下のハリウッドでは『カサブランカ』やフランク・キャプラ作品といった具合に戦争を肯定するような国策映画が巷にごった返すことになる。そしてジョン・フォード自身もまた徐々にそうした時流に迎合していった。
ここまで露骨な反戦映画を撮っておいてそんな転向はないでしょうよ、と言いたくはなるが、良くも悪くも彼はそれほどまでに「柔軟」な作家なのだ。事実、たとえば50年代に彼が撮り上げた『捜索者』などは、30~40年代においてもっぱら彼が喧伝していたステレオタイプ的なインディアン像を自ら否定し、そのうえで白人の他民族嫌悪が行き着く病的な妄想世界までもを暗示するものだった。彼はおそらく「反抗」と「自己批判」に彩られた政治の季節(=アメリカン・ニューシネマ)がもうすぐやってくることをいち早く察知していたのだ。
そう考えるとやはり、本作の極端に冷たく厭世的なトーンもまた第一次世界大戦時のアメリカ世相のフラットな反映なのではないかと思う。技法以外にはまったくといっていいほど透明な彼の作家性ゆえに、むしろありありと当時のアメリカ国民たちの鬱勃たるムードが現出していた良作といえる。
砂漠を進む偵察隊がアラブ兵スナイパーから狙い撃ちされ、一人また一人...
砂漠を進む偵察隊がアラブ兵スナイパーから狙い撃ちされ、一人また一人と殺されていく。隊長がやられて軍曹が奮闘する。短い中で話が凄いよく出来ていたし非常に面白かった。
【面白かった、古臭いかもしれないが】
藤原帰一氏がおススメ作品として取り上げていたので観てみたら、そりゃ86年前ですからこの映画出来たのはね、古臭いです、でも確かに面白かった。
下手な今のハリウッドのアクション映画より面白かった。ジョンフォードはこんな映画も撮っているですね、参りました。
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