劇場公開日 1960年2月10日

「放射能汚染の地球にて…」渚にて たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0放射能汚染の地球にて…

2022年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

この映画のDVDジャケットが「エヴァ・ガードナーとグレゴリー・ペックの抱擁場面」だったのと、タイトルが『渚にて』だったので、「二人の恋愛ドラマかな…」などと勝手に思ってレンタルして来たが、観てみたら想定外のSF映画。

なんと、第三次世界大戦によって地球上の北半球は放射能汚染されており、南半球のオーストラリアに人々が地球人の最期を覚悟しながら暮らしている…という物語。

潜水艦には、艦長ドワイト(グレゴリー・ペック)や部下パーカー(アンソニー・パーキンス)、そして科学者ジュリアン(フレッド・アステア)などが乗っている。

サンフランシスコの街が無人であるという風景などを潜望鏡で見たりするが、第三次世界大戦が起こる場面は描かれないので、ジワジワ来る圧迫感という感じ。

オーストラリアでドワイト(グレゴリー・ペック)とモイラ(エヴァ・ガードナー)は愛し合うことになるが、地球の最期が迫ってくる…という物語。

フレッド・アステアは、だいぶ高齢なので、踊りはしないが、科学者でありながらスポーツカーで爆走するなど存在感を見せる。

潜水艦の中での会話…「平和を守るために武器を持とうとする。そして、果てしない原子兵器競争が続く…」という言葉から、あのウルトラセブンの『超兵器R1号』でのモロボシダンのセリフを思い出した。
ダンが「侵略者は超兵器に対してもっと強力な兵器を作りますよ」と言えば、「だったら、もっと強力な兵器を作れば良い」と言われたダンが、「それは血を吐きながら続ける哀しいマラソンですよ」と言う名ゼリフ。

本作が作られた1964年の米ソ冷戦下では、本作のように核戦争後の恐怖を感じていたのかと思ってしまう。
なかなか重たいスタンリー・クレイマー監督作品。

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たいちぃ