劇場公開日 1960年2月10日

「短調 ワルチングマチルダ」渚にて HigeKoboさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5短調 ワルチングマチルダ

2022年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

知的

オーストラリアは長閑でいいなあ、という画面に入り込んでくる非情な現実。
「誰のせいでこうなった。アインシュタインのせいか。」
「武力で平和が守れると思いあがったのが発端
自分は痛い目にあわずに使おうなんて虫のいい話さ」
誰かの思い付きと誰かの決断の積み重ね。玉突き事故の最初にぶつかった車は悪いけど、車間距離取ってたら単独事故だよねみたいな。そんな諦めが共有されてる感じ。
今は複雑になった分、玉突き事故は防げない不安が。
悲嘆にくれるのはごくプライベートの時間のみ。公には淡々と終末を迎える。今のアメリカが舞台なら略奪と暴力の終末だろうな。ミッドナイトスカイのような世界観だがあれは最後に希望の種は撒いてた。
冷戦真っ盛りの1960年日本公開の映画。次の年にはベルリンの壁ができツアーリボンバが炸裂する。64年には博士の異常な愛情が上映。なんともツライ時代。

HigeKobo