長い灰色の線のレビュー・感想・評価
全1件を表示
グレーの制服での分列行進の様
クリックして本文を読む
ウェスト・ポイント陸軍士官学校は1802年創立の由緒ある兵学校、主人公のマーティ ・マー(タイロン・パワー)はアイルランドからの移民で20才で給仕見習いとしてウェスト・ポイントに入りました、体育教官のケーラー大尉に喧嘩の腕を買われ助手に昇格、50年にわたり体育教官として学生の指導にあたりました。彼の伝記をもとにした実話ベースですが家族関係などは脚色だそうです。
熱狂的なファンのいるアメフトのエピソードを絡める辺りはお見事、名門ノートルダム大学にロングパスで大敗するエピソードは秀逸でした。
特に熱血教師と言う訳でもなく挫折の度に退役を口にしますが家族の説得で思いとどまります。
根っからの軍人ではないのでざっくばらん、若者たちのよき相談相手でもあり皆に慕われ最後の引退時には生徒全員での分列行進の栄誉を受けました、制服が火薬の色からとった灰色だったのでタイトルの「長い灰色の線」はこの行進の様を表しています。
西部劇の神様と言われたジョン・フォード監督ですが「我が谷は緑なりき」などヒューマンドラマでも繊細な人物描写には定評があります、ウェスト・ポイントの学長でもなく地味な一介の体育教官の半生にスポットをあてて、二つの大戦にまたがる苦難の時代を描いています。
教え子でもあったアイゼンハワー大統領に回想を語る設定ですが、話が地味なので盛ってみたのでしょう。日本の若者には馴染みのない米国の士官学校が舞台の昔の映画なので退屈かも知れませんがジョン・フォード監督の名作の一つであることは間違いありませんね。
コメントする (0件)
共感した! (0件)
全1件を表示