「これって稲中とか木更津キャッツアイをスタイリッシュな映像と音楽で仕上げた感じなんだよね」トレインスポッティング ケンイチさんの映画レビュー(感想・評価)
これって稲中とか木更津キャッツアイをスタイリッシュな映像と音楽で仕上げた感じなんだよね
何を勘違いしたのか、勝手に残酷描写がエグい映画だと思い込んでおりまして、今までずーーーっと避けてきた作品なんです。
つい先日、物のハズミで友人から「全然違ーう!」と教えられ、「なら見る!」という流れになりました。
主演はユアン・マクレガー(1971年生、公開時24歳)。
それすら知りませんでした。
公開当時バカみたいに流行った作品ですが、超有名なキービジュアルも、ひたすら目を背けてきたのです。1ミリも心を向けて来なかったのです。
おおむね同時期のユアン・マクレガー作品『ブラス!』(1994)はマイベスト映画にランキングされているほど好きなのに…。
本作もイギリス映画ということですが、舞台のほとんどがスコットランドということで、私の中ではスコットランド映画に認定!
『ブラス!』と同じくイギリス(ブラスはイングランド、トレスポはスコットランドだけどね)の斜陽を取り扱った作品ですよね。
共通点の多い2作ですが、トレスポは残念ながらまっっったく響かなかった…。
日本には欧米のようなドラッグ文化が根付いていないというのもあるのでしょうが、それを差し引くと、トレスポって要するに稲中とか木更津キャッツアイみたいなノリをスタイリッシュな映像と音楽で仕上げた感じなんですよね?
私、稲中も木更津キャッツアイもまったく波長が合わないんです。
トレスポも見てみてつまらないから(あくまで個人の感想)びっくりしました。
これだけ大流行した作品がこんなにつまらないはずがないと思い、2周目も頑張って見てみましたよ。英語がわからないので自信ないですけど、多分これ登場人物たちスコットランド訛りがありますよね。そういうノリっていうか、当時のイギリスの地方でグダグダやってる怠惰なヤンキーたちの青春ドラマですよね。
意味がわからないのではないのです。時代背景とか、お国柄とか、文化の違いも多少はわかるのです。ただ単に、これっぽっちも響かないのです。映像表現も音楽も登場人物たちの振る舞いも。
私にとっては、超偶然でナチュラルに30年近く熟成され、また偶然に封印を解くに至った奇跡の映画だったのですが、残念な結果となりました…。