「ユーモアたっぷりの過激な作品」トレインスポッティング 葵須さんの映画レビュー(感想・評価)
ユーモアたっぷりの過激な作品
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この作品を見て、全く古臭さは感じなかった。薬を取り巻くクズ達の環境はあまり変わってないからか?レントンはじめ中性的さを感じる割に古臭い男性優位思想の匂いがしなかったからか?よく分からない。
排泄物を扱った描写は生理的嫌悪が若干あったがそれ以外の下品であったり過激であったり性的だったりする随所に見られるユーモアのセンスは一品。タイトルには「90年代最高の陽気で悲惨な青春映画」とあるが、そのとおり。陽気さも悲惨さも薬とおバカな登場人物の為せる技だ。34:00のスコットランド人としての自虐意識の叫びが面白い。ベグビーが終始うざいキャラ(どう見てもサイコパス)だったが、ラストで報いを受ける。46:00あたりからレントンが体験することとなるバッドトリップと禁断症状?の表現は素晴らしい。
物語の始まりで一般社会の普通の生活を批判し、薬による刹那的快楽を礼賛していたが、ラストで逆転させ、普通の生活に帰還する宣言となっているため、この物語で主人公は薬から抜け出すことができたと考えることができる。薬の危険さを教える映画作品としての機能はそこまで期待できないとは思う(バッドトリップや禁断症状、薬漬けで怠惰な生活の仲で起こりうる悲惨なイベントは見せつけられ、考えさせられるが、薬というのはそういう仲で刹那の理性を吹き飛ばすためにあるものであって、だからやらないということにはならないと思うから)。
最後に、この作品は山場(谷場?)としての主人公のバッドトリップ経験があるし、ラストにドラッグ売買という大きなイベントはあるが、起承転結というか物語のうねりを感じず、そこに若干退屈さを感じてしまう部分があった。
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