劇場公開日 2021年10月17日

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「いたいた!こんな子(笑)」トラベラー きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0いたいた!こんな子(笑)

2024年12月28日
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鑑賞方法:VOD

キアロスタミ監督さん、
純粋で いたいけな子供ばかり撮ってたわけではありませんでしたね!

「友だちの家はどこ?」を観たばかりで、ナイーブな少年像にしんみりとしていた僕ですが、
bloodtrailさんからのお薦めコメントで、本作を覗いてみました。
ホントだ、カウンターアタックでした。確かに《ぶん殴りたくなるような困った子》ですわ(笑)

学校から戻ると
お洗濯しているお母さんに「宿題宿題!」とガミガミ言われて、
「お父さんに叱ってもらうからね」と脅されるし、
学校の先生はいつも通りに高圧的で恐ろしい。
家庭環境のベースは監督さんの他の作品とも共通ですが、
本作品ではそうとうの悪ガキくん登場で、始終笑かしてもらいました。

そろそろ声変わりも近い6年生ごろか? 否、ガッセムくんは落第をしているから本当は中1あたりかもしれない。でも落第でまだ格下の小学生という情けない立場。
可愛い子供の盛りを過ぎて、思春期に差し掛かろうかという宙ぶらりんの姿なのです。つまり、
《一番子供が可愛くない時期》にギュギュっとフォーカスです。

皆さん
ヒヨコを育てた事はおありですか?
ニワトリのヒヨコは、小さいときはピヨピヨと丸くって、黄色いクリーム色で、あのフワフワが可愛いことこの上もない。
でも立派な雄鶏になる前の変わり目、“端境期”の若鶏ってもんは、まったくあれはみっともない格好です。
体は白くなり、図体は大きくなってはきても、声は みっともなくピヨピヨと鳴く。トサカはまだ小さくてひな鳥のまま。あの時期はヒナは大人なのか子供なのか分からない季節。
不格好で実に見栄えが悪いのです。
可愛くない盛りのガッセムくん。
ちょうどあの頃の少年の様相なんですよねぇ。

でも映画が進むとガッセムに肩入れしたくなる。応援したくなる。
弱いチームを推すサポーターの気分にさせられる。
親たちを困らせる「反抗期と自立心萌芽」のシーズンの、なんと魅力的な事か。

でもあの子、帰宅したらものすごく怒られるんだろうなぁ・・苦笑

・・・・・・・・・・・・・

アッバス・キアロスタミ監督は
もし映画監督になっていなければ、彼は幼稚園の保育士か小学校の先生になっていれば最高のキャラクターと思います。
キアロスタミ・ニキと呼ばせて頂きます。
一生ついて行きますぜ。

きりん
bloodtrailさんのコメント
2024年12月30日

きりんさん
コメントありがとうございました!
"ともだちの〜"のはるか前に、コレを撮ってたと言う。主人公の2人が「対極的」なのは狙いなんでしょうねw

bloodtrail
NOBUさんのコメント
2024年12月28日

いやあ、こちらこそです。
 良いお年をお迎えください。(ちょっと、早いですね)
 今から、駅に息子を迎えに行ってきます。家人がとてもご機嫌です。今日からずっとパーティです!ではでは。

NOBU
きりんさんのコメント
2024年12月28日

↑↑慌てて直しました。ご指摘ありがとうございます😊

きりん
NOBUさんのコメント
2024年12月28日

こんにちは!
 今作はアッバス・キアロスタミ監督ではないですかね?
 ではでは。

NOBU
きりんさんのコメント
2024年12月28日

bloodtrailさん
観ましたよ!
こんな映画を紹介してくれたbloodtrailさんのことも「ニキ」と呼ばせて頂きます(笑)
ありがとう
ペルシア語 「متشکرم(motashekkeram)」(モタシャッケラム)。
もしくは劇中でも使われていたフランス領時代の「メルシー!」

きりん
きりんさんのコメント
2024年12月28日

( うちの職場にもサッカー馬鹿がいましてね、ドイツでのワールドカップの全試合を「テレビで生中継でリアルに見たいがために」その男は辞表を出して会社を一旦退職したのです。「はぁ?」です。
そこまでやるならガッセムみたくドイツまで観戦しに行けば良かったのにと思いますよ。
まったくサッカー・フーリガンの頭の中は理解不能です )。

きりん