劇場公開日 2024年11月1日

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「自分の自由を奪うのは自分なのか」捕えられた伍長 komasaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0自分の自由を奪うのは自分なのか

2025年5月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

住めば都という言葉がある通り、人は自らを環境に適応させていくものだと思う。収容所に入れられた直後は脱走する事ばかり考えていても、やがてその中に居場所を見つけて落ち着いていく。監視する側もそこを理解していて、飴と鞭を上手く使い分けている。

その様な環境の中で、主人公は何故それ程までに脱出しようと思い続けられたのか。そんな事を考えていると、少し前の香港での大規模な抗議活動の事を思い出された。そして、この収容所というものは自分の身近に有るのでは無いか。ひょっとしたら自分も何か(学校?会社?家庭?)に収容されているのではないか、その善悪は等と様々な事を考えさせられた。そして、その時点で自らの手で自らの自由を奪っているのではないかという気がしてきた。

最後に出てくる農夫の姿に、監督の人に対する愛情と信頼を感じた。

komasa