友だちのうちはどこ?のレビュー・感想・評価
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やっと見れた
タイトルと、なんとな行く内容も知っていた。
けど改めて見ると。
子供の話をちっとも聞かない大人。
しつけ、という名目で手伝いをさせる。
これでは言いたいことも、言えないよね。
ともだちのノートを返すだけのミッション、それが高し。
この年齢では無理があるな。
終盤は「がんばれー」って、気持ち押してました。
ラストシーンの応用的解決策は子供の成長の証で清々しいばかりだった
1993年(キネマ旬報第8位)以来だったが、
NHK放送を機に再鑑賞。
当時のパンフレットを読むと、
キアロスタミ監督は、
この映画についてのメッセージは
特にないと語っているが、
そうでもないだろうと思い、
勝手に想像してみた。
目に付くのは大人側の封建的な意識による
子供世界の支配と、
子供側の他人を想う純心さだ。
ほぼ全編において、大人側からの一方的で
理不尽な要求に対し、
子供の方にも焦りがあり、
未熟な対応から非効率な行動を強いられ
どんどんと状況が悪くなる。
しかしながら、間違って持って帰り、
届けることも出来なかったことに対して、
遅刻してまでも、友だちの宿題分までを
仕上げてノートを返すのは、
一つの成長した応用的解決策でもあり、
本来の人間の純粋な心を
思い出させて清々しいばかりだった。
大人達の数々の封建的な言動は、
多分に彼らが充分な教育を受けられなかった
ためだろうが、
冒頭と最後に学校のシーンを置いたのは、
これからの子供達には
大人世代を超えるべくたくさん学んで、
それを打破して欲しいとの
監督の期待だったのだろうか。
大人は分かってくれない・・
小学生の友情物語、純真無垢な一途さが胸を打つが反面、教師や家族の無知や身勝手さが鼻についてたまらない。友達にノートを届けるという寓話のような単純ストーリー、子供は宝、大人たちはもっと真摯かつ謙虚に子供たちに向き合うべきと言うメーッセージ映画でしょうね。
ノートに書かなかったからと言って宿題をサボった訳では無い、退学まで持ち出して脅すのでは教師失格、先生の言うことは絶対であり口答えさえ許されない、これはもう教育ではなく調教だ。
母親も育児や家事で忙しいのはわかるが息子が必死で話しているのに耳を貸さない。心無い大人たちに胸が痛みます。
イラン映画だから本当の庶民の暮らし方、実態が分からないが子供の人権を軽視しすぎ、もっともタリバンなんて未だに女子の教育すら認めていないのだから何をか言わんやですね。
大人たちの横暴
ババクアハマッドプール扮するアハマッドらイランの子供たちも元気があってよく騒ぐ。しかし学校の先生は厳しく、宿題も必ずノートに書けと言う。人のノートを間違えて持って来たアハマッドは友だちの家へ返しに行くと言った。
イランでも母親はまずは宿題をやれと叫ぶ。子供は真面目に出来事を言うのに頭から母親はまずは宿題と言う。世界中どこでも親子の会話が成り立たないのかね。大人たちの横暴が目に余るね。
2012年7月第三回午前十時の映画祭にて
当時は初キアロスタミ。子供がちょっとした冒険するくらいのつもりでいたら、中々シビアでたじろぐ。
ちょっと不条理というか、まともに相手にされないというか、何言っても聞いてもらえないというか、何か人間扱いすらされていないようにすら見えて、それでそうせざるを得ないように追い込まれているように見えた。
大人が優しくないんだ。コレが。全く。
イラン人監督アッバス・キアロスタミによる1987年の作品。トラベラーと同じく少年を主役としながら、トラベラーとは打って変わって、コチラは、とっても良い子の物語り。
これも、明確に傑作と言えます。凄く良いですもん。
アハマッドの放課後数時間の出来事を、83分の短尺に収めますが、ポイントとなる「教師の叱責」「母親との折衝」「祖父からの命令」「老人との徘徊」、更には「アハマッド自身による家探し」は、リアルタイムな時間感覚でジックリと描写します。この自然体な場面の造り込みが効果的です。物語りに引き摺り込まれてしまいますもん。
それと。
画が抜群に良いです。絵画的。時に、遠近の対比を一つの画面に捉え。時に、明暗を対比させながら人物を移動させ。目当てのムハマッドを見つけたかと見せ掛けながら、少年の顔を隠し続ける演出も取り混ぜ。
日仏の影響を強く感じる、映画の手法。悪知恵とも言えなくは無い少年の機転に、止めが親切ながら役立たずだった老人がくれた花だと言う。
気の利いた、非英語圏の短編小説の様な映画は、キアロスタミが後にパルムドールを取る事を予感させるに十分な、密度のある小品でした。
邦画界の若手には、爪の垢を煎じて飲め、って言いたくなりますが。偉そうに言うと。
そんくらい。
良かった。とっても。
まともな大人がいない
これって微笑ましく観る映画なのだろうか。
まともな大人が全然出てこない。ある意味すごい。
子どもたちはみんな困ったような顔をしている。
彼らは初々しくて素敵なのに、こんな大人たちに囲まれて育ったらたぶんあまり良い大人にはならない。
って、わたしたちにも言えることですね。
文句も言わず当惑しながら走り回るアハマッドに胸が痛んだ。
8歳の小学生が、同級生の家の詳しい場所を知らないまま隣村まで宿題ノ...
8歳の小学生が、同級生の家の詳しい場所を知らないまま隣村まで宿題ノートを返しに行くが、いろいろな老人たちに妨害されてしまう話。
ちょびっと良い話とイライラする話とびくびくする話とハラハラする話とノスタルジーが混ぜ合わさって味わいのある映画に仕上がっていると思います。
ただ、すごく面白い映画かというと、そうではない。
今週の気づいた事:子供の頃たしかに大人は怖かった。
オープニングもラストもいいけど。裏話はチョットねえ…
子供の映画は好みでないので(例外は、アラン・パーカー『ダウンタウン物語』くらい)これが最初だったキアロスタミはずっと観てこなかったが、つい先日、観てしまった『桜桃の味』が諸々とても素晴らしかったので、ついに本作も今頃になって観てしまった次第。
さすが元グラフィックデザイナー。
今回も構図が完璧。
オープニングの淡く擦れたブルーのドアからラストの瞬間まで全てのショットが素晴らしい。
ラストも小粋なミニマリズムという感じで、思わず心の中で喝采してしまった。
芝居の方も皆んな素人なのに(素人ゆえか)ドキュメンタリーみたいに自然だ。
しかし、子供映画が苦手な人にも間違いなくお勧めか?というと、実はそうでもない。
まず、そもそもの設定&プロットに少し難がある。
あの賢そうな坊や8歳(日本だと小2か小3)であれば、電話が無いとはいえ、もっと知恵も働いて、直ぐ学校に戻り、先生に事情を話すなりして、一件落着になりそうだ。
あういう設定で、どうしても走れメロスやりたいんだったら、せめて6歳くらいでないと。それに4〜5歳だって賢い子は知恵も働くだろうし、やっぱり主人公は賢く見えない方がいい。
あまり賢くは見えないが、友達には義理堅い。そんなキャラでないと、あの設定には合わない。
たぶん、あの主人公の子供の正直そうな真っ直ぐな眼を見て、一発で気に入ってしまったのかもしれないが。
であれば、それならそれで、例えば、
あの子は機転を利かして、慌てて学校に戻ったが、運悪く先生はバイクで帰って行こうとして、そこを必死で追いかけるが、声は届かず… 更に他の先生達に助けを求めるが、忙しがって相手にされず…
などであれば、
あの賢そうなキャラとの整合性も取れ、過酷感も増し、いよいよもって「友だちのうち」を探さなきゃいけない… という切迫感も増して、更に良かったと思う。
それにしても、子供達の演技が、あまりにもリアルだったが、現場では、かなりエグい事をやっていたようで…
特に冒頭の方の泣かすシーンでは、子供の人権なんて知らんわ!と言わんばかりの非情さで、子役俳優でもない素人に、随分な事をしていて、
あの主人公役の子の弟だったらしいが、人間不信にでもなってなきゃいいが…
当時のスタッフも現在は反省してるようだが、コッチは種明かしされしまって、すっかり引いてしまった(お勧めしないが、どうしても気になる方は、ポチッと検索どうぞ)
ホントこういった裏話は、あんまりベラベラ喋らん方がいいと思う。特に本作のようなドキュメントタッチの場合には。
しかし、こんな部分もイランのクロサワと言われた所以なのかもしれない。
やっぱり、本物のリアリズムを虚構の上に作り上げるには、殆どやりすぎ(黒澤明の場合は殆ど狂気)と言えるほどの、それ相応の厳しさは必要みたいだ。
とはいえ、素人の子供にやっちゃ、流石にイカんけどね。
女の子は学校に来れないの?
プータン山の教室やミツバチのささやきみたく、女のコで癒そうとしないのが良いかなぁって思った。反面、学校に来るのが、男のはな垂れ小僧ばかりっていうのは、男尊女卑なのかなぁって、少し残念に思う。でも、それが現状なのかなぁ。姿が見えない音だけの演出がかっこいい。空間の広がりを感じる。
この美しさは、写真の美しさだ!
二回目を観て、納得した。
シーンの一つ一つが、全部写真の構図になっている。
ジグザグ道、オリーブの林、薄暗い石段の光と影
家家の扉と窓枠
大人を見上げるアハマッド少年の首筋と顎の角度
少年たちの汚れたシャツの袖口
数え上げたらキリがないが、全部が写真になっている。
ゼラニュームの赤は、どちらかといえば取ってつけたような作為ではあるが、
写真のシーンをつなぐための、・・・みたいな役目になっていて、必要だった。
10月、渋谷のユーロスペースで、キアロスタミ監督の映画を上映している。
今日は、「友だちのうちはどこ?」を夕方上映。
中国山地の山の中にいて、ハイ、ソレと飛んで観に行かれないこの不条理・・・
体験学習
あるこどもが、間違えて持ち帰ってしまった友だちのノートを本人に返すために奔走する、というシンプルなストーリーなのに、気が利いた映画で、面白い。
アハメッド君の目を通して見えてくるのは、大人って、けっこうおバカで、気分屋で、自分勝手で、筋が通ってない、ってこと。
もし大人が万事きちんとしようとすると、疲れすぎちゃってプッツンしちゃうかもひれないから、そこはまぁ…責めたくはない…。
彼は、いろんな大人と話し、知恵も働かせた。体験学習とよく言うけど、これこそが本当の体験学習だった。
先生っていじわる
どこの国でも先生っていじわるなんだな。子どもだっていろいろ事情あるでしょう。でもノートに宿題をやるべき理由をきちんと説明してたのはよかった。
アハマッドがまだ大人にうまく説明できないし、大人はちゃんと話を聞かないしでもどかしい!
おじいさんの勘違いにみせる優しさとモハマッド=レザへの優しさ、押し花に泣ける。漏れる光を計算した窓枠がきれいだ。
子どもの頃はあんな風にに走れたことを思い出す。ロバとの追いかけっこ、見えそうで見えないあの子、おじいさんの窓。印象に残るシーンがいくつもあった。
イランってけっこう教育熱心で躾にも厳しいんだなあとちょっと意外だった。おじいさんたちは日がなあそこでおしゃべりしてるんだろうか。
それにしてもお母さん洗濯大変…。
【”走れメロス!イランバージョン。”友だちが退学にならないように、少年がくねくね道を只管に、必死に走る無垢なる姿が沁みます。当時のイランの子供達がイロイロな仕事を親から言われて大変だった事も・・。】
ー 冒頭、質素な教室でネマツァデ君は、先生からこっ酷く叱れている。宿題をノートではなく紙に書いて来たからだ。
そして、先生からは”次に同じことをしたら、退学だ!”と言われてしまう。
隣席の、アハマッド君は心配そうに見ていたが・・。ー
◆感想
<Caution ‼内容に触れています。>
・冒頭のシーンでポシェテという地域から通学してきた少年が遅れて教室に入ってきた際に、怖い先生から、”何処から来た?””ポシェテです・・。”
仕方ないなあ、という表情で先生が”ポシェテからくる子は10分早く起きなさい、30分早く寝なさい!”と言う。
ー ポシェテってところは、遠いんだね・・。ー
・アハマッド君が家に帰ってきたら、ナント、ネマツァデ君のノートが出てくる。焦る、アハマッド君。
”このままじゃ、ネマツァデ君が、退学になってしまうよ!”
ー けれど、親からは宿題代しろ!と言われ、必死に宿題をするアハマッド君。。そして、脱兎の如く、ネマツァデ君のノートを片手に、くねくね坂道を駆け上がっていく。
ポシェテに住むネマツァデ君にノートを届けるために・・。ー
■焦る、アハマッド君を遮る数々の障害。
・突然落ちてくる洗濯物。
ー 人の良いアハマッド君は、洗濯物を投げて戻してあげようとするが・・。時間はドンドン過ぎていく・・。ー
・ポシェテには、色んな地区があって、ネマツァデ君がどの地区に住んでいるか、分からない・・。
・アハマッド君のお爺さん。
ー 孫はキビシク躾けなきゃならん!と言って、煙草を持っているのに、煙草を買いに行かせる・・。で、自分の昔話を友達のお爺さんにし始める・・。
躾じゃないでしょ!時代が違うんだよ!ー
・”儂は、何でも知っている”お爺さん。
ー アハマッド君を、ネマツァデ君の家に案内するというも、自分が作った木製の扉の話ばっかりして、到頭息切れしちゃって、到着できない・・・、というか、知らないんじゃない!ー
・意気消沈して、家に帰ったアハマッド君。食欲無し・・。
<翌日、学校にアハマッド君は来ない。ノートがないネマツァデ君は、涙顔。
ドンドン迫って来る怖い先生。
そこに、現れたアハマッド君。
最初、ノートを間違っちゃうけれど、キチンと、ネマツァデ君のノートにも宿題の答えが書いてある・・。
当時のイラン情勢を、コミカルに揶揄しながらも、溢れる山道を駆けずり回るアハマッド君の善性溢れる姿が、沁みてしまった作品。
佳き作品であると思います。>
ハマる(笑)
このシチュエーションでよく映画にしようと思ったよね
もう、そこが謎で尊いwww
アハマッドの思い詰めた目に終始釘付けですよ
ネマツェデはすぐに泣くしさ
それはもう必死ですよ、退学ですもん、、、
また迷路のような住宅地に苗字はみな同じ
大人たちは誰も無関心、探し出せないよね
日暮とともに飾り窓が美しく光る
それを自慢するお爺さんの案内は埒があかない
イライラでキュンキュンします(笑)
「桜桃の味」も悪くなかったんだけど
この映画でキアロスタミにハマりました
☆この後『ホームワーク』も観たんだけど
イランの子たち宿題多すぎ💦
なのにとても真面目に取り組んでいる子が多く
これはみんな優秀に育つだろうな、と思った
押し花
間違えて持ち帰った友達のノートを返しに
イランの山村を奔走するという極めてシンプルなストーリーだけど
アハマッドの不安気な優しい表情に釘付け。
自分の都合の良い話しかせずアハマッドの気持ちは無視の大人たち。
風の音や犬の鳴き声に怯え灯りの少ない通り道は
自分の小さな頃を思い出す。
ラスト、友だちに力強く語るアハマッドと押し花でホロリとさせられます。
シンプルでリアルな眼差しが生むもの
演技に慣れていない地元の人で構成される劇映画。リアルでシンプルなつくりは、さながらイランのネオリアリスモといったところ。その時代の社会性を含めた空気感がひしひしと伝わってきて、それだけでも価値ある作品のように思えた。
飾り気がないのに妙に美しい映像と、ペルシャ的響きを帯びた音楽が自分の心を完全に惹きつけたのだが、脚本と演出に巧みに隠されたユーモアがたまらない。ただ、大人は判ってくれない、といて諦めるにではなく、その障害をも巧みに利用しながら逞しく生き生きと生きている生々しさに、ただただ感服するばかりであった。
ラストも最高🌸
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