「アメリカ人が表現する可愛さ」ドクター・ドリトル(1998) garuさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ人が表現する可愛さ
動物と会話ができる能力が、ある日突然蘇った医師、ドクタードリトル。 家族を養うために現実的な大人として生きてきたが、眠っていた特殊能力が蘇ったことで大騒動が巻き起こる。 そして、動物たちとのテンヤワンヤの中で、見失っていた本来の自分を取り戻していく、というストーリーだ。
まずなんといっても、登場する動物たちの可愛いさ! アメリカ人が動物を描くと、どうしてこんなにも可愛くなるのだろうか。 エディー・マーフィーの人柄とユーモアのセンスも一番良い形で出ており、コメディ作品として大変魅力的に仕上がっている。
例えば、日本のアニメの可愛い動物キャラクターなどと違い、意図的に可愛く創ろうとしていないところがアメリカ人の動物の描き方だ。 人間側に寄せるのではなく、それぞれの動物の生態や特性を尊重し、そのまま描いた上でのセリフまわしとアクション。 これは昔から変わっていないが、おそらく多人種国家だからこその洗練されたユーモア表現なのだろう。 他者との違いを尊重する思いやりと包容力の大きさが感じられる。
そんな動物たちとのユーモアたっぷりの絡みで、作品をより一層魅力的にしているのが、エディー・マーフィー才能だ。 動物たちとの丁々発止のやりとりが、いちいち笑える。 生意気なドブネズミに人工呼吸をするシーンでは、 珍しいことに映画館内で結構な笑いが漏れていたのを覚えている。
最近はあまり出番がないが、エディー・マーフィーには、またこの作品のような温かみのあるコメディ映画に出演してもらいたい。
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