「自身の過激さに飲み込まれていく男」トーク・レディオ バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
自身の過激さに飲み込まれていく男
リスナーの電話に強烈な毒舌で答え、賛否両論の反応を巻き起こしているラジオDJを描きながら、世の不正や不公平に過激な怒りをぶつけることで戦っているうちに、その過激さに自ら飲み込まれていく皮肉を描いている。1984年にコロラド州で起きたラジオパーソナリティのアラン・バーグ殺害事件をモチーフにしたオフ・ブロードウェイの舞台劇の映画化で、舞台の脚本と主演を兼ねたエリック・ボゴシアンが映画でも脚本と主演を兼ねているとのこと。
とにかくほとんどのシーンが当然ながらラジオブースの中で、狭い室内の同じ舞台を様々なアングルやズームを駆使しながら描きつつ、ボゴシアンのトークで見せていくことに感心した。社会派でありながら決して単純な優等生的視点には立たないオリバー・ストーンの面目躍如という感じ。さすがに舞台の大半がラジオブースの中というのは映画としてやや苦しいが、一見の価値はある。
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