トゥルー・ロマンスのレビュー・感想・評価
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タランティーノらしい
総合:75点 ( ストーリー:70点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
本来ならば主役級の大物俳優がたくさん出てくるのは知らなかったが、そんな大物たちが端役でちょっと出演したかと思ったらすぐに消される。高額の出演料がかかるだろうに、作品中ではいつものように人の命はなんとも安いのがタランティーノらしい。そして激しいのに軽い暴力描写と次々と進む物語とが、たとえ監督がトニー・スコットとはいえどもまたタランティーノらしい。なかなか娯楽性が高くて楽しめた。
クリスチャン・スレーター演じる主人公のクラレンスはシカゴの底辺に暮らすちょっと口のたつただの貧乏なおたくだったはずなのに、作品の進行中の数日で急に用心深くも肝の座った有能な犯罪者になって、まるで別人のよう。どうやったらこんなに変われるのか、この変身ぶりにはついていけなかった。
パトリシア・アークエット演じるアラバマは馬鹿っぽいけど可愛くて実は心の強いのに驚いた。
ヒモ役のゲイリー・オールドマン、暴力組織のクリストファー・ウォーケン、父親役のデニス・ホッパーの大物たちは端役だけど見せどころを作った。
もし父親が自分のせいで死んだと知ったクラレンスは、3年も連絡をとらなかったくらいだからそれでも気にしないだろうか。飼い主を失った犬のロンメルはどうなっただろうか。親切心を出して売春婦を当てがったばかりにクラレンスがいなくなった彼の上司は、店を任せられる新しい労働者を見つけられただろうか。メキシコにクラレンスが行った後の状況がちょっと気になった。
盛りだくさん詰まってる、内容も役者も。
ラブコメ、バイオレンス、サスペンス、、、
最後はドキドキハラハラ、色々 盛りだくさん(笑)
最後、ハッピーエンドだったから、エンタメとして
見終わって爽快感があり良かったです!
エルビスに魅せられて
このカップルに未来はあるのか?というような生き方でしたが、
まさかのハッピーエンドでしたね。
シチリア人は世界一ウソが上手いは本当なのかな?
BGMの使い方が好きでした。
ぶっ飛んだカップル
高評価の多い中で恐縮ですが、私には合わなかったです。
主人公がドレクセルに殴り込みをかけて一網打尽にする時点で若干引き気味だったのですが、そこへ更に追い打ちをかけるアラバマの「なんてロマンティックなの!」
…なんてぶっ飛んだ奴らだ!ついていけねえぜ!という気分にさせてもらいました。
ぶっ飛んでいる分個性が強くて、それはそれでいい点なのですが、入り込めなくて残念でした。
タランティーノの脚本ということで、バイオレンスは自分の守備範囲を超えている部分があり、見るのが少しキツい場面もありました。それだけリアルであるとも言えます。
登場人物の9割方が悪人、特に主人公も善人ではないので感情移入しづらく、どういう気持ち、視点で見ればいいのか困惑。
ヒロインのアラバマは凄くキュートで芯もある強い女性なのですが、なんだか好きにはなれない。あざとすぎる。
ディックが冴えないけどいいやつで、唯一の癒しでした。
エルヴィスプレスリーの幻影?を見るのは不思議なおもしろい演出で好みでした。
主人公の父が緊迫した状況でシシリア人の話をし出すところは、腹が決まった感じが出ていて、ハラハラする良いシーンでした。
別陣営がはからずも一堂に会してしまって混沌とする状況も好きです。
ですがその後の撃ち合いは派手で良いのですが、感情移入はできず置いてけぼりで、俯瞰している気分になりました。
ラストも2人だけハッピーエンドなのが腑に落ちない。
周りに迷惑かけ倒してるし…ちょっと引いてしまいました。
調べたところ、どうやらタランティーノはラストで2人を死亡させる予定だったそうで。それをトニースコットが変更してこの形になったようです。
前者の方がストーリーとしては納得できますが、色々とぶっ飛んでいる今作にはハッピーエンドが似合うのかもしれませんね。
演者が豪華ですね。
デニスホッパーとクリストファーウォーケンはさすがでした。画面が締まるというか。
ゲイリーオールドマンのクレイジーな雰囲気も良かったです。
ブラッドピットも脇役ですが、演技が上手いというか役に溶け込んでいる感じが凄い。いろんな役を見てみたくなりました。
ハンスジマーの音楽がかわいい感じで好きでした。作品の内容とミスマッチな平和な音が双方を引き立てあっているように感じました。
良い部分もたくさんあるのですが、好きな人はめちゃくちゃ好きになる一方、私のように合わない人もいる作品だと思います。
なるほどこれは傑作と呼ばれる訳だ!
すごく不思議な映画でした。
あんだけのバイオレンスだったのに
エンディングは軽めで爽やか
しかもどこか暖かい不思議だ
冒頭のクラレンスのかっこよさと
パーフェクトの恋に落ち方
アラバマの強さ、逞しさ。
2人がだす空気感
なんだか凄みがあった
音楽も印象的
オープニングで おっと思わせる
好きなシーンはやっぱり
「あなたのしたことって……あなたのしたことって…すごくロマンチック」
ですよね〜
あとラストのアラバマの語りも良かった〜
まさかハッピーエンドで終わると思わなかったけど
ありがとうって感じ
そんでゲイリーオールドマンの悪役は
本当に怖いよね レオンから思ってたけど
you're so cool…
タランティーノがパルプフィクション前に脚本担当しトップガンのトニースコットが監督している&脇役が豪華!ブラピもゲイリーも若いw
序盤の美しさから一変ローラーコースターやモーテル、クライマックスは爆笑のタランティーノ全開!迷いのないオタク妄想的シナリオは好感。
プロットでは2人とも死ぬはずが監督希望で変更してタランティーノがヘソ曲げたって話だし、序盤とEDはトニー・スコット様々なのかな。そっちの空気感のが個人的には好き。純愛→ハッピーエンドはやっぱりいいよ。
綺麗なナチュラルボーンキラーズ。
純愛
ギャングと麻薬と売春って、お決まりな転落ワードなのに、ラストまで純愛を貫いて幸せになってしまうのが、意外性があって良いですね。タランティーノ、案外擦れてなかったんだ。
タランティーノは初期作品しか鑑賞してないのですが、結構女性が一癖あるイメージ。だけど、アラバマはシンプルな女性です。ビッチな馬鹿っぽさって、ある意味受けるのかもしれない。
作品は、デビッド・リンチの『ワイルド・アット・ハート』っぽく感じました。エルビスもキーワード。
タランティーノの積年の妄想が滲む、いや爆発する! 本作の全てが好きです。
「ねぇ、うちでソニー千葉のカンフー映画観ない?」
そんな誘い文句、初めて聞きました(笑)
クラレンスって、カンフー(空手)映画オタクなんです。
映画館でアラバマにポップコーンをこぼされる出会いから、
「ねえパイ食べない?映画の後にはパイが食べたくならない?」
って、もうアラバマ(パトリシア・アークエッド)、可愛いさしかないですからね!
ミッキー・ローク好き。
エルビスの声好き。
カンフー好き。
パイ好き。
で、ペルシャ猫が嫌い。
この会話だけで、アラバマの人物像ができあがります。こういうの、タランティーノ巧いです!ほんと、感動します。
そうなんです。本作には沢山の登場人物が出てきますが、それぞれのキャラに魅力があるのは、こういう少ない会話でも想像力を膨らませるタランティーノの巧さ&トニスコ監督の細かいカット割り職人技の、絶妙なマッチ感だからだと思う。
すみません!かなり暑苦しいと思いますが、このテンションで最後まで爆走します。宜しくお願いします。
そんなアラバマは娼婦で、コミック店のボスからクラレンスへの誕生日プレゼント。
ひと晩過ごした後、アラバマは急に「娼婦から足を洗う!」って宣言します。
この時のアラバマも可愛いんです!
「4日で3人だけ!使い古しじゃないのよ。私はホワイトトラッシュじゃない!真面目な女よ。好きな人ができたら、一人の男に尽くす女。好きになった男以外、他には目もくれない。好きな人に100%尽くす女よ。ひと晩で馬鹿みたいだと思うかも知れないけど、貴方を愛してしまったの」
熱弁(笑)
童貞感ハンパないオタクが、ひと晩で可愛い娼婦を落としてしまうんですよ!
なんという、童貞のポテンシャル!なんという、厨二!
本作は25歳まで彼女がいなかった、タランティーノだから書けたんでしょうね。きっとこのバイオレンス・ラブなお話は、彼のユートピアなんです。
私の好きな作家の奥田英朗先生は、作者が作品に滲み出るな、作者は引っ込んでろ、読者は作者に全く興味がないと頭に叩き込め!と仰いましたが、本作の場合は滲み出て正解です。
いや、タランティーノの作品は、全て彼の「悶々」から生まれていると言っても過言ではありません。そこが好き。
本作も、テレンス・マリックせんせの「地獄の逃避行」1%オマージュ、99%は彼女がいない時代のタランティーノの「悶々」でできていると思う。
でもそう考えると、なんだか、もろもろ感慨深いです。
伝わらないことを承知で書くんですけど、アラバマの「100%」って言い方が可愛いんですよ。「好きな男には100%尽くすのよ」って。100%の「パッセッン(ト)」これ、よく真似します。
ドリュー・バリモアの「テンキュァ」くらい可愛いんです。あ、これも真似します。けど今のところ、アメリカ人にウケたことがはありません(笑)
アラバマみたいな女性になりたかった。安っぽい服を着て、セクシーでキュートで、いつもニコニコしてて優しくて、知識はないけど、知恵はある。本当に一人の男に尽くすから、拷問されても口を割らない。しかもぼっこぼこにされても、反撃のチャンスを狙って逆転します。クラレンスといつもべたべたして、ちゅーばかりしてます。
アラバマ可愛い。大好きです!
そんなアラバマとクラレンスは電撃婚。でも、問題が!アラバマのヒモ(ゲーリー・オールドマン)です。
たまに出て来る、神的存在のエルビス・プレスリーが、実は1回目では気付かなかったヴァル・キルマーです。
エルビスがクラレンスにいうんです。アラバマのヒモを殺せって「YOUやっちゃいなよ」って。エルビスは、こんな感じでちょいちょいクラレンスの背中を押してきます。
クラレンスがヒモを撃ち殺して帰宅。アラバマのリアクションが、また素晴らしい。
私の為に殺したなんて……(泣)
私の為に殺したなんて……(泣)
「SO ROMANTIC !! 」
実はこのシーンが、全ての映画の中で一番好きです。ええ、全てです。
そしてここ、よく真似します(笑)でも、殆どの人に分かって貰えません。
その他、出演者が豪華です。
クラレンスの父親役にデニス・ホッパー。
マフィアにクリストファー・ウォーケン。
ポン引きにゲイリー・オールドマン。
ドラック中毒にブラッド・ピット。
エキストラ的扱いのサミュエル・L・ジャクソン。
変装が凄すぎて分からないヴァル・キルマーなどなど。
このデニス・ホッパーとクリストファー・ウォーケンが対峙するシーンが圧巻。デニス・ホッパーの長台詞は、実はアドリブ。このシーンよく観ると、ウォーケンが本気で困っているのが分かります。
「シシリアは何百年も前にムーア人によって征服された。ムーア人は黒人だ。ムーア人は白い肌と碧い目の女とだけF○CKした。だからシシリア人には黒人の血が流れている……(略)you are black eggplant!」
デニス・ホッパー格好いい!そしてこの話でブチ切れて、1984年ぶりに人を撃ち殺す、クリストファー・ウォーケン。そのメンタリティについていけないけど……、同じく格好いい!
「black eggplant(黒ナス)!」、
「cantaloupe(マスクメロン)!」
の後に、ウォーケンは何発もホッパーに撃ち込む。マスクメロン!で殺すとか。
二人の俳優のセンスが、素晴らしい。「ヒート」で、アル・パチーノとデニーロが対峙するシーンより、断然凄いと思う。
タランティーノは、クラレンスとアラバマが撃ち殺されて死ぬラストを考えていたようです。その場合、二人は自由を求めてないと成立しないですよね?ええ、勿論アメリカンニューシネマの刷り込みですよ。
でもトニスコ監督の万人受感と、タラ汁がいい感じにミックス&シェイクされた、幸せでほのぼの感のある素敵なラストなんです。
本当は「You're so cool!」とか、「死体袋の帰還兵」とか、色々語らなくちゃいけないことがあるんですが、ここまでで原稿用紙4枚です。さすがに、そろそろ終わろうと思います。
あれ、クリスチャン・スレーターに全く触れてなくね?
そうなんです。本作ではクリスチャン・スレーターの見せ場ってないんですよ(笑)なので彼のことは、「フラッド(1998)」ででも語ることにします。多分。
では、長々とお付き合いくださり、テンキュァ!
けっこうよかった
公開時に映画館で見てあまりの面白さに感動して、次に見返した時は、主人公が悪くない形のドラマはあまり好きじゃないと感じた。今回3回目、カナザワ映画祭で見ようとしたら残念ながら上映中止になってしまった。そのためDVDで見返した。
前回の印象とは違って、主人公は明確にクズで犯罪行為に気軽に手をそめるような男でとてもよかった。なぜ、前回そのような印象を持ったのか、あまりに傑作であるとハードルを高めていたのかもしれない。
クリスチャン・スレーターがとんでもないイケメンだと思っていたのだが改めて見たら、コソ泥みたいな割としょぼい顔で、ヒロインのパトリシア・アークエッドも首が短くてエレガントさに欠ける、本当に売春婦っぽい。結婚相手の親に会うのにおっぱい出し過ぎで、服も赤すぎる。リアルなキャスティングだったのではないだろうか。二人とも現在、さっぱり活躍していないところも物悲しい。
自分が悪くて申し訳ないと思っているのに、強い口調で相手を言い負かそうとするような感じ、一体なんなのだろう。すごく感じ悪くて、嫌だ。
ギャングがすごくジェントルな口調でえげつない拷問するのが怖かった。
音楽が、その後アンビリバボーなどで気軽に使われていて、この映画のサントラだったのかと改めて気づいた。
コカインの大量取引で大金を狙うのではなく、小分けにしてクラブなどでちょっとずつ売ればそこそこハッピーに長期間生活できて、人脈も広がり、それなりの商売になったのにな~と思った。
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