「二人の純愛が生んだ「滅多にない」逆転劇」トゥルー・ロマンス talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
二人の純愛が生んだ「滅多にない」逆転劇
なんということなく進めば、「誕生日のプレゼント」として、最初は仕組まれた出逢いから生まれたコールガールのアラバマと、エルヴィス・プレスリーの熱心な信奉者で、ロックに生きる男・クラレンスとの純愛物語として片付いたところなのでしょうけれども。
しかし、ひょんなことから手に入った「お宝」をうまく捌こうとした辺りから、二人の人生の歯車が狂い始めるー。
それも、コールガールと、時々は店主からの借金で生活を繋いでいたコミック店の店員に過ぎなかった二人にしてみれば、いわば「ひと山」当てて、自分達の将来の生活を切り開こうと試みたからに他ならなかったのでしょう。
しかし、破滅に向かって突っ走るかのような、そんなクラレンスとアラバマの姿が、本当に胸に痛い一本になりました。評論子には。
言ってみれば、自分達が招いてしまったとも言いうる修羅場を、いわば首の皮一枚で切り抜けることができたことが、二人にしてみれば「人生最大の幸運」だったと言うべきでしょう。
後記の映画のことばになぞらえれば、「滅多にないことが起きた」ことにも、救いがあったと思います。評論子は。
他作品『流浪の月』で、映画.comレビュアーの多くが言及していたことから、食指を動かされ、観ることにした一本になります。
既存の法制度の、いわば隙間にすっぽりと落ち込んでしまったかのような『流浪の月』の文と更紗ととは、また立場の違う面もあったかと思いますけれども。
本作は本作で、充分に佳作と評価ができると思います。評論子は。
加えて、映画.comレビュアー諸氏の鑑賞眼に敬服するとともに、良い作品に気付かせてもらった、改めて感謝もしたいと思います。
<映画のことば>
ロマンスも人生と同じ。
たいていは惨(みじ)めな結末。
ただ、滅多にないことだけど、逆転することもある。
<映画のことば>
だった一晩でバカだと思われそうだけど。
それも、コールガールで。
でも、あんたが好き。