「『キル・ビル』と『バッドルーテナント』」天使の復讐 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
『キル・ビル』と『バッドルーテナント』
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去年アメリカで三十数年ぶりにリバイバル上映され、RottenTomatoesでも88%の高い支持率の『天使の復讐』。フェラーラ作品にしては高評価。
今までさんざん、ダサいとかクドいとかB級とか、フェラーラ監督のことをバカにしてきた人も多いのに、「昔のカルト映画」という意味づけをすると、途端に評価があがるのも、何だかなあと思う。彼の新作・近作も、ちゃんと褒めてあげて欲しい(それが例えダサくてクドくても)。
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女の復讐譚。『キル・ビル』を本格的に狂わせた感じの本作、
何と言っても、主演のゾーイ・タマリス・ルンドが、危うく美しい。
当時17歳のいたいけな女性に、こんな変な役やらせて犯罪ではないかとすら思う。
彼女の産毛の一本までも丹念に追うカメラ。
フェラーラの映画に出てきた数多の女優さん(ビノシュ、マリオン・コティヤール、イザベラ・ロッセリーニ、アーシア・アルジェント、リリ・テイラーetc)の中で一番キレイだ。
修道女の格好をしたゾーイが男たちに銃をぶっ放す。
フェラーラの『バッドルーテナント(1992)』の修道女とは真逆の立ち位置。
この映画に出てなかったら、ゾーイは、『バッドルーテナント』の脚本も書いてなかっただろうし、『バッド〜』でヨレヨレのジャンキーぶりを晒すこともなかっただろうし、その後、薬物の過剰摂取で死ぬこともなかったのではないか。そういう意味では罪作りな映画だと思う。
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