天使 L'ANGEのレビュー・感想・評価
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最後どのように天使を表現するのか?と色々と憶測しながら観る映画
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元々は最後に天使のような造形物を登場させる予定だったらしいが、凡庸で明からさま過ぎると見せるのをやめてしまったらしい。
しかし、結果アレだと「まさに凡庸」とも言える。
あの流れでは、具体的な天使像は結局のところ最後まで登場はしないだろうと途中で憶測してしまうので…
逆にコチラの予想を裏切り、最後に堂々と神々しく一瞬でも見せた方がラストは強烈になったと思う。
ちなみにタイトルとは真逆なダークな人形劇のようなシーンが冒頭から続き、かなり偏執狂的な美意識で構成されている。
音楽もそれに見事に呼応するかのような非常にダークなチェンバー・ミュージック。
徹頭徹尾、映像と音楽の相乗効果によって闇、そして光を観念的に表現している。
言葉には一切頼っていない為、観る側が言語を探っていき、メタファーを憶測したりすることにもなる。
小さなチャプター毎に表現スタイルが異なり、これが螺旋階段の上昇とリンクしていたらしいが、建物の全体構造が明示されない為、それに関しては分かりづらく、これが難解さに拍手をかけている。
退廃的な美しさやオブセッションからの解放といった展開が好きな人にはお勧めと言えるかもしれない。
タイトルそれ自体には普遍的な何かを感じるかもしれないが「観る人」は選ぶ作品。
好き嫌いはハッキリと分かれるだろう。
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