「もともと「映画」って…。」デリカテッセン talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
もともと「映画」って…。
DVD特典の監督自身のコメントによれば、本作は、監督がオンボロアパートに引っ越した折に「変わり者がたくさん住んでいて、いろいろとトラブルが絶えないアパートかも知れない。もし、そうだったら、面白い。」と妄想したことから着想を膨らませ、低予算で作った作品だったとのことでした。
映画作品の内容としては、実話モノ(ドキュメンタリー)あり、小説などの原作を底本とするものなど、いろいろとありますが、映画作品というものが、そもそも監督の知的創造の産物であるとすれば、本作のように監督の想念を少しずつ膨らませて、一本の作品に仕上げるというのは、案外とオーソドックスな製作方法と言えるのかも知れません。
◯アパートの大家は、建物に同居しているのがいい。
◯建物の一階で(入居者も顧客にして)商売をしているというのが良い。
◯肉屋はどうだろう。入居者から家賃を取るほか(食材として誰でも買う)肉を売って儲けている。
◯毎朝、決まった時間に肉切り包丁を研ぐ様子が不気味。
◯古いアパートで、変わり者もたくさん住んでいるし、ドブネズミ(トログロ団)も出没する。
監督の想念を、少しずつ膨らませて(映像化して)一本の作品として仕上げる―そういう意味では「映画らしい映画」ともいえる一本だったと思います。
佳作であったとも思います。
評論子は。
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