鉄道員のレビュー・感想・評価
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イタリア、ネオリアリズムの名作
日本映画にも高倉健主演の「鉄道員」と言う作品がある。「ぽっぽや」とか言う副題がついている。
見比べればわかるが、時代背景や作品の描き方が全く違う。
一人の人間を描く「ぽっぽや」に対し「鉄道員」は鉄道員の家族や苦悩、現実を取り巻く状況で生き抜くよりリアリズムに描いた作品として、イタリア本国だけでなく国際的に評価が高い名作である。
制作は国際的に名声あるカルロ・ポンティ、監督は主演も兼ねたピエトロ・ジェルミである。
貧しい家族のために懸命に生きる姿に感銘をうける。
日本映画の鉄道員を「ぽっぽや」のような軽い表現にするような作品ではない。
名作
名作の呼び声高い本作。なるほど納得。 家族はやっぱり家族、そんな映...
二回目の鑑賞で違う印象をもった
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 60
音楽: 70
特急の運転手がお酒を飲んで運転して危うく正面衝突の大事故になるところだった。みんなのための労働運動で自分個人の失態を取り上げてもらおうという言い訳がましい自分勝手な行動をして相手にされず、それが面白くないからといってさらに酒に溺れる。
なんだこの人は?。多くの人の命を預かる仕事をしているのに酒を飲むなんて、自業自得なだけでしょうと思った。嫌なことがあるたびに飲酒が許されるならば、世の中飲酒運転だらけですよ。名画と言われているけれど、最初にこの映画を見たときはむしろこの自分勝手な行動にたいして否定的な気分だったし、家族にたいしても頑固で態度良くないし、だからこの映画が面白いなんて思わなかった。私は自ら不幸を招く行動をする人にたいして同情するような傾向はない。むしろ窮地だからこそ何とか前向きに努力し続ける人が好きなのだ。
だがそれから幾年月が過ぎて改めて見直してみると、事故のことよりも家族模様の掘り下げがもっと正面に見えてきた。父親は完璧な男でもなく、まして真の英雄でもない。父親の行動が良いか悪いかの判断を描いたものではなく、だが彼なりに誇りをかけて一生懸命やったことや、それが招く人々との関係の変化や感情や男の人生が描かれていたんだなとわかった。また末っ子の男の子の存在が、嫌な雰囲気を和らげ希望をもたらしている。それでもまだ世間一般の評価ほど特別な素晴らしい映画だとは思わない。でも最初に見たときとは随分と印象が変わった。
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