椿姫(1937)のレビュー・感想・評価
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感動した「椿姫」グレタ・ガルボ版
何度も映画化されているデュマの「椿姫」だが、本作のグレタ・ガルボは本当に美しく、また仕草が見事なので、素晴らしい感動作となっている。
監督はジョージ・キューカー。
椿姫と呼ばれるマルグリット・ゴーチェ(グレタ・ガルボ)は豪遊生活を送っているが、病弱な身体。金持ち男爵をパトロンに持つことになったが、若い美男子アルマン・デュヴァル(ロバート・テイラー)と「心からの愛=本当の愛」を共有する仲となった。
しかし、そんな彼女には病が……という物語であるものの、本作ではグレタ・ガルボの仕草が際立っていた。
特に印象的だったのは、アルマンへの想いを抱いて初めての口づけ場面では、彼の顔のアチコチにキスすることで「彼女の想いが強調された感じ」あり、落とした扇子を拾うシーンなどでは何気なく扇子を拾っているように見えて「こんな拾い方は難しいのでは?」などと思わせられるダンス風の姿勢。
ラストも良かった。
これは、本当に感動した。
ふたりのグレタ・ガルボ
たまたま”ニノチカ”という、ソ連を風刺したコメディを鑑賞、このコチコチの共産主義者を滑稽に演じていた主人公こそ、グレタ・ガルボ、椿姫だった。
そこには、まったく別人な、華やかなグレタ・ガルボがいた。
高級情婦を演じる彼女は、モンローのような可愛いらしい色気でもなく、オードリーのような気品にあふれているわけでもない。
だけどなんだろう、 彼女だけが放つ何とも言えないミステリアスな怪しい魅力に取り憑かてしまった。
グレタ・ガルボに会いたくなったら、まず”ニノチカ”から鑑賞することをお奨め。
ふたりのグレタ・ガルボに会える。
ガルボに重なる「椿姫」の魅力
ジョージ・キューカー(女性映画の巨匠)が ガルボの魅力を 引き出している
また、エイドリアンの衣装も華麗
(華奢に見える様に工夫してる、肩幅が問題点だったらしい… 最後なんて華奢で病弱に見える)
室内装飾、田舎家の風景も 何気に美しい
椿姫だが、東洋的表現なら
泥の中に咲く蓮の花の風情で、神々しい
別次元の美しさ、である
男達が 夢中になるのが、わかる
高級娼婦でも、恋愛(あるいは、擬似恋愛)の力関係で 結構、我儘でもある
男爵は ある意味、コケにされてる
最後は 借金取りが、隣室待機で「悲劇的」ではあるが 現世で 金も出会いも使い切った椿姫、見事である
高級娼婦だが「名花」と呼ばれるタイプ
歴史的悪女にもならず、
気儘に 愛に生きたのも魅力的
その気儘さが、ガルボと重なる気がする
誰もが、気儘に生きられる訳ではないのである
グレタ・ガルボをひたすら愛でる映画
映画の内容は大した事はない
ただひたすら映画史上に燦然と輝く主演女優のグレタ・ガルボを愛でる為にある
撮影時彼女は31才位、大人の女性の魅力とは何たるかを、問答無用の説得力で教えてくれる
細い、これほど細かったか
グランドホテルのバレリーナ役より更に細い
病弱という設定の役作りで絞ったのか
現代で言えばデニーロアプローチ
もう20代の様にパンッと頬は張ってはいない。顔が痩せこけている、年齢を感じる
しかしそれがこの役どころを的確に表現している
はかなげで、美しいのだ
ラストシーに相手役に抱かれこときれる演技が有名だが、それもさることながら、彼女の全ての登場シーンの顔を演技を見ているだけで幸せだ。
目の動き、体の動き
肉感的とは程遠い、エロチックさもない
しかし美しい、手に入れたい、愛でていたい
下世話な物語なのに、下世話ではない
気品があるのだ
そんな美しさだ
アニーでラジオシティの映画館を貸し切ってみんなと観る映画が本作です
ちなみに冒頭の花屋で白い椿を買うシーンの意味
wikiによると
月の25日間は白い椿を身に付け、残り5日の生理期間には赤い椿を身に付けたために人々から『椿姫』と呼ばれた高級娼婦マルグリット・・・
とあります
つまり全力で「営業」をアピールするぞ!という意気込みを表すシーンだったのです
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