「確かに脚本がしっかりしていた」チャイナタウン parsifalさんの映画レビュー(感想・評価)
確かに脚本がしっかりしていた
私立探偵物で、ハードボイルドなタッチ。テンポはゆったりしているが、弛緩がなく、序盤から細部や人間関係を覚えていないと理解しがたい。水道局の部長、夫モーレイの浮気調査を依頼してきた夫人が偽物で、浮気現場の写真を撮るが、ゴシップ誌に勝手にリークされ、本物の夫人が訴えに訪れる。誰の仕業か暴こうとしていたら、モーレイが溺死体で発見される。真相を暴こうと調査を進めると、ロスに水を引くためのダム建設で夫人の父とモーレイが対立していたことが判明し・・・という映画。
脚本がしっかりしていて、推理小説とハードボイルドを足して2で割ったような映画。脚本がいいので、奥深い事情をもった夫人を演じるフェイ・ダナウェイと、それに対応する私立探偵ジャックニコルソンの演技も見どころ。ストーリーがよく練られていて、セリフも洒落や皮肉がよく効いている。レイモンド・チャンドラー的な世界であった。
ラストは、なんともやり切れないハードな終わり方。私立探偵が愛する妻を守れなかったトラウマを抱えているのがチャイナタウン。チャイナタウンは、治外法権的な街だったらしい。ロマン・ポランスキーもハリウッド、愛妻が惨殺されているらしい。この映画の監督をするって、すごいトラウマを乗り越えたのだろう。
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