劇場公開日 1958年1月10日

「アンジェイ・ワイダ監督「抵抗三部作」の第2作目」地下水道 たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5アンジェイ・ワイダ監督「抵抗三部作」の第2作目

2022年12月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

アンジェイ・ワイダ監督「抵抗3部作」の第2作目。
1944年9月、ドイツ軍に包囲されて逃げ場が無くなったポーランド兵たちが、地下水道を通って包囲網の外へ出ようとするのだが……という姿を描いた映画。

ポーランド兵たちは、地下水道が迷路のように複雑で方向感覚が分からなくなる。また、暗闇が絶望に満ちている。
発狂する者、絶望に耐え切れずに地下水道からマンホールで地上に出てドイツ兵に射殺される者、自殺する者など……容赦なく描かれる悲劇。

そんな人々の中で、唯一、土地勘のある(地下水道を知っている)女性デイジー(テレサ・イゼウスカ)は負傷兵ヤツェック(タデウシュ・ヤンチェル)を愛しており、彼を連れていくと、絶望の中に光が見えた。これは「希望の光」に見えたが、実は「絶望の光」だった……というあたりはアンジェイ・ワイダ監督の手腕が光る。

また、地下水道の中で人物を捉えた場面では、「影を使った演出」も見事であり、アンジェイ・ワイダ監督による傑作のひとつ。

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たいちぃ