「ソビエト共産党下の制作でも普遍的な価値を持つ反戦映画の名作」誓いの休暇 グスタフさんの映画レビュー(感想・評価)
ソビエト共産党下の制作でも普遍的な価値を持つ反戦映画の名作
個人的には「西部戦線異状なし」「禁じられた遊び」に並ぶ反戦映画の代表作で最も好きな作品。群衆の中のある兵士のバラードを綿々たる抒情性で描くも、好青年アリョーシャの模範的行動の一つひとつが常に微笑ましくいじらしい。初見の中学時代の感動から何度も見直していて、年を重ねてもその想いは変わらない。アリョーシャのような人間になろうと欲して結局なれずに今の自分があるが、理想の青年は映像の中で永遠の命を保ち輝き続けている。
若い頃に見た映画はいつまでたっても、自分にとってはかけがえのない作品になりますね。私にとっては「肉弾」です。ヒロインの大谷直子さんのデビュー作で、(たぶん17歳くらい)私が見たのも17歳でした。
Mさんへ、コメントありがとうございます。
初見は中学生の頃に淀川長治さんの日曜洋画劇場でした。その後幸運にも大塚名画座で劇場鑑賞したのですが、主人公アリョーシャ(19歳)の年齢とほぼ変わらない18歳故か、主人公に感情移入して大感激してしまい、ラストシーンには呼吸困難に陥りました。限られた時間を誠実に行動し、短い青春に生きたアリョーシャの言動に魅了されたのです。映画史的には今日特に取り上げられる作品ではないですが、個人的には生涯のベストテンに挙げたい大切なソビエト映画になっています。お互いに好意を持ちながら、シューラと別れざるを得ない駅のシーンのもどかしさが切ないですね。郷里の母への思慕を秘め、様々な人々に純粋に接し、淡い恋心を経験するアリョーシャ青年。戦争が無ければ、極普通の好青年の人生を幸せに送ったであろうと思うと、居た堪れないものを感じます。小品ながらリリシズム溢れる戦争秘話の良心作と思います。いい映画の表現が的確ですね。