「恐怖の疑似体験」ダンテズ・ピーク odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
恐怖の疑似体験
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見どころはなんといっても噴火の猛威だろう。噴石や火砕流、溶岩流などの怖さは想像できるのだがまさか火山噴火で湖の水が硫酸になるのには驚いた。火山灰でエンジンがストールするのも現実的なリスクだろう。
もっと早く非難指示を出していればという設定、学者の警鐘を拒絶する町議会、慎重派の観測機関の上司など悪者扱いだがこれが現実だろう。山が7千年も休眠していることに加え見知らぬ調査員が一人で乗り込んで突然危険を伝えても正常化バイアスに阻まれるのは人の常、生まれ育った山麓を離れ難い老人がいても不思議ではない。
日本で2000年の北海道・有珠山噴火の事前避難例が賞賛されているが、功労者の観測所長の岡田・北大教授が赴任したころは観光業者にはそっぽを向かれたようだ、長年の地元密着での信頼関係があったればこそと述懐しておられる。
ディザスター映画の効用と言うべきか、束の間の疑似体験でも正しく怖がるということの大切さを教えてくれる。
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