たそがれの女心のレビュー・感想・評価
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ふたつのハートのイヤリング ♡♡
1953年 フランス/イタリア映画
子供もいなくて、中年になっても美しくて
まだ娘気分が抜けていないような伯爵夫人ルイーズ(ダリュー)
鼻歌まじりで?宝石チェックをして
散財の穴埋めに、結婚式翌日の夫からのプレゼントを
手放すことにしてしまう
(いくらなんでも… )
この軽んじたイヤリングと行動が後に重くのしかかってくる
そして夫も振り回される
社交界の華だが
トロフィーワイフのような存在にも見える
夫も度量の大きい、理解あるつれあいを演じていたが
だんだん疲れ、苦しみ始める
宝石は彼の愛の証のように思えた
饒舌だが軍人の彼には愛の言葉は上手く語れない
(でもシュバリエは声のいいひとだった)
この時代の上流階級の流儀はどういうものなのだろう
デ・シーカの演じる男爵もなかなか魅力的だった
直球勝負で移り気な女心をがっちりつかむ
イタリア男としては本望かもしれないが
軍人夫の傷心やメンツも思いやられ
ルイーズの軽はずみな行動も知ったりして
虚無の表情を浮かべたりする
オフュルス映画のダリューは格別に美しくて
ずっと見ていたい、とも思うが
この映画では男たちの心情の方に目がいった
ベル・エポックの恋模様
ルイーズの甘やかな女心も終わる宿命に
男爵のさりげない「美しいよ」のひと言に
ほろりとさせられる
フランス映画のエッセンスが満載!!
(フランス映画祭2015にて鑑賞)
制作された当時は、作品の長さを、この100分間程度に収め切ることが望ましいとされていたのでしょうか、慌ただしいテンポに慣れるまで、最初は、少しだけしんどかったのですが・・・・・、
演劇表現のジャンルを舞台作品から映画へと膨らませることになった、1950年代当時の精鋭を極めた技法や設定が、たくさん詰め込まれていた作品でした。
また、人物よりもモノを主人公とする進行の黙示、謎は謎として、変わらないものは変わらないものとしてそのまま受けとめる、あるいは、無理をしてまでハッピー・エンドにしない e.t.c. ・・・・・、
最近の制作作品でも感じることの多い、フランス映画に特有のエッセンスが、たっぷりと詰まった作品でした。
フランス映画祭2015にて
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