「グッドエンディング?」タクシードライバー 鳥人間さんの映画レビュー(感想・評価)
グッドエンディング?
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主人公は自己中で視野狭窄ないわゆる「正義マン」。
主人公は女に振られた復讐として、彼女の務める政治団体の政治家を撃ち殺そうとする。しかし、暗殺は失敗し、成り行きで知り合った未成年の娼婦を助けるために、彼女を取り巻く女衒や売春客といった「悪」を撃ち殺す。彼女が「やめて」と叫ぶ目の前で。
その後主人公は「ヒーロー」として讃えられる。
最初見終わったあとに、主人公が生きてることに驚いて、グッドエンディングなんだと思った。主人公はヒーローとして感謝され祭り上げられ、彼の人生はきっと好転した。
だが客観的にみると、彼の狂気性や歪んだ正義感は増長され、暴力によって彼の「正義」を実行することに喜びを覚えてしまった。グッドとは言い難い。
また、主人公のズレた行動が、狂気と滑稽さを同時に感じさせる「シリアスな笑い」を生み出し、作品全体に緩急をつけている。そうした構成が、この作品の完成度を高めていると感じた。
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