太陽に暴かれて

劇場公開日:

解説

20世紀初頭の中国、貧農出身の女が男たちとの葛藤の中で人として女として変貌を遂げていく姿を描いたドラマ。『巴山夜雨』(81、日本未公開)などで知られる中国で活躍するトップ女優チャン・ユイが、「息子の告発」の監督イム・ホーと組んで、イムの年来の企画を自ら製作(イエン・ミンチュンと共同)・主演して映画化。脚本はイム・ホー、「紅いコーリャン」などの原作作家でもあるモー・イェン、イー・リンの共同。撮影は「紅夢」などのチャオ・フェイ。音楽はイム・ホーとは「息子の告発」に続いて組む「喝采の扉」の大友良英。美術はカオ・クオリエン、編集はチェン・リンリン、録音はクー・チャンニン。共演は「乳泉村の子」のユー・ヨン、「胡同〈フートン〉模様」のカオ・チアン、「息子の告発」のマー・チンウーほか。

1996年製作/109分/中国
原題または英題:太陽有耳/The Sun Has Ears
配給:大映東光徳間
劇場公開日:1997年10月25日

ストーリー

中国、1920年代初期。北方の貧村。冬。食うや食わずの毎日を送る村の若い嫁ヨーヨー(チャン・ユイ)は、空腹で倒れたところを、独立の軍隊を持ち、いずれは政権をと狙う野心家の中隊長パンハオ(ユー・ヨン)に救われた。夫ティエンユー(カオ・チアン)はヨーヨーを銀貨二枚でパンハオに身売りさせた。新政権樹立に燃えるパンハオとの毎日は、純朴無知だったヨーヨーにとっては刺激的で、自分を取り戻しに来た夫がすげなく追い返されても、彼女は黙認した。彼女の中に自我が芽生え始めた。さて、国民党の一員となったパンハオは勢力を伸ばすうちに、国を救うという初心を忘れ、役人と外国人が乗った列車を襲撃し、政府から金銭を奪おうとする。一方、ヨーヨーを取り戻したいティエンユーも国民党に入党し、パンハオを政府に売り渡した。捕えられたパンハオだが、雷鳴のおかげで危機を脱し、自分が捕えた人質を幼女まで始末していく。その姿に動揺したヨーヨーは彼と衝突するようになる。折しも、パンハオの元愛人でヨーヨーの出現で姿を消していたマー(チアン・ヤンチアン)が村に戻った。マーはパンハオが軍閥と結託して北京に攻め込むための計画の後押しを始め、二人の仲は再燃。パンハオの総司令官就任の祝宴。ヨーヨーの心離れを察したパンハオは彼女を遠乗りに誘い出す。馬上でパンハオはヨーヨーの唇を求めるが彼女は抗う。直後、張り出した木の枝に頭を打ったパンハオは落馬、だが鐙から足が離れずひきずられる。それを見たヨーヨーは馬をさらに走らせる。パンハオが事態に気づいた時、彼は大木に打ちつけられた……。数か月後。ひとり身になったヨーヨーは男の子を産んだ。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第46回 ベルリン国際映画祭(1996年)

受賞

銀熊賞(最優秀監督賞) イム・ホー
詳細情報を表示

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く