第七天国(1927)
解説
オースティン・ストロング氏作の舞台劇を映画化したもんで、ベンジャミン・グレイザー氏が脚色し、「なまけもの」「秘密」「待てば海路の日和とか」等と同じくフランク・ポーザージ氏が監督した。主役は「青鷲」「誉れの一番乗り」出演のジャネット・ゲイナー嬢と「戦艦くろかね号」「決死隊」出演のチャールズ・ファーレリ氏とが演じ、デイヴィッド・バトラー氏、アルバート・グラン氏、グラディス・ブロックウェル嬢、エミイル・ショータール氏、ジョージ・E・ストーン氏等が助演している。
1927年製作/110分/アメリカ
原題または英題:7th Heaven
ストーリー
シコオはパリの地下を流れる水道の掃除夫として朝から晩まで碌々日の光りも見ずに惨めな生活を送っている若者の1人だった。彼は自分の素性さえも知らぬ独り者で、友達というのも同じ掃除夫の「溝鼠」とタクシー運転手のプウルだけだった。シコオの障害の目的は下水掃除夫から道路掃除夫に出世して日の光を浴びることだった。そして早く然うなるように彼は神に願ったが少しも効き目が無いので無心論者となった。しかし彼は自分が偉い男だと信じてちあ。彼は貧民街の下宿屋の7階の屋根裏部屋に住んでいて、そこを第7の天国と名付けていた。ある日の夕方仕事を終えた彼が下水道の口から首を出すと、1人の可憐な若い女が年高の怖い顔をした女に鞭うたれて倒れていた。シコオは大声を出して怒鳴りつけ小雀を荒鷲の手から救ってやった。彼女等は姉妹で姉はナナと呼ばれ妹はディアヌといった。ナナが妹を虐待した理由は、南洋で巨万の富を掴んで帰国した。彼女等の伯父が、姉妹が正しい善良な生活を営んでいるなら世話をしてやるといって、ブリサック大佐とシユヴィヨン師父とを介して交渉したのに、ディアヌが姉の生活を真面目なものと思えなかったので、伯父の申し出を拒絶したことだった。ナナはそれを口惜しがり怒ってディアヌを鞭うったのだった。シコオは欺してディアヌを救った。警官に怪しまれた時も彼は自分の妻だと答えて彼女をかばってやったが異性を知らぬ彼女に対して何うといことはなかった。姉に強制されて最も惨めな生活を送って明るい人生を知らぬディアヌには「第7の天国」が本当に天国のように思えた。親切な師父の推薦でシコオは道路掃除夫になることが出来た。そして彼はディアヌが彼を愛していることを自覚し「第7の天国」で2人は師父なしで結婚の式を挙げた。やがて欧州大戦が起こった。召集令状を受け取ったシコオは、妻に別れを惜しみ、戦地に在っでも毎朝11時にはおまえの許に帰って来ると云って出征した。マルヌの激戦で負傷したシコオが遂に名誉の戦死を遂げたという報知をブリサック大佐がもたらし、そして結婚を申し込まれた時ディアヌは夫の帰りを待つと言い張ったが師父がシコオの死を更に伝えた時彼女は失神した。その時彼女は呼ばれて目を開くと亡者となったシコオが立っていた。彼女はシコオを抱いた。第7の天国で2つの魂は1つの魂となった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- フランク・ボーゼージ
- 脚色
- ベンジャミン・グレイザー
- 原作
- オースティン・ストロング
- 撮影
- アーネスト・パーマー
- ジョゼフ・バレンタイン